過去ログ - 上条「五和と入れ替わった」
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160:以下、あけまして[saga sage]
2012/01/04(水) 02:03:47.28 ID:AiUnSeA3o

 この時点で考えると、五和は上条と共に戦った事が女性の中では最も多い。
四度、戦う姿を目は捉えた。三度、最初から上条と目的を同じくし戦地に赴いた。
二度、上条の側で戦った。そして一度、上条を護る事が出来なかった。

 その一度、「後方のアックア」という強大な敵を前にして何があったか。
上条を護るはずが、逆に護られてしまうという現実、何も出来なかった自分。
立ち向かおうとした心も、護りたい者の手によって折られてしまった。

 いや、それは言い訳だろう。結局の所、ただ上条という存在に甘えただけだ。
生命を重んじ、救いを求めてしまったからこそ戦う意思を簡単に挫かれたのだろう。
しかし、その最低の自分とはすでに決別したはずだ。槍を持ち、仲間と共に敵を排する事が出来たのだから。

 だが、それで全てを乗り越えたかというとそれもまた違う。
彼女はもう一つ、忘れてはいけない事実があるはずだ。それは、上条に護られてしまったという事。
目の前で圧倒的な力によって吹き飛ばされた上条の姿を、五和は二度と忘れないだろう。
しかもそれは自分のせいだ。自分が弱かったから、何も出来なかったから、心が折れてしまったから彼を傷つけてしまった。

 それに対して上条はどうだ。あの時、既にボロボロの身体で立ち上がり自らの身を差し出した。
それはとても勇気の要る事であると同時に、五和にとっては負けを意味する。
彼の右手は弱者強者を問わず何者であっても護る盾であり、たとえどんなに逆境に置かれても抗い続ける絶対の槍でもあった。

 では、あの時の甘えてしまった自分は何が出来たか。何も為せなかった、槍にも盾にもなる事は出来なかった。
そして今、あの時と似た状況が生み出されている。そこで五和は何を思ったか。
彼女は喜びを感じていた。何故か、それは上条当麻の身体を五和という人間が護っているように見えたからだ。



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