過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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3:nu[saga]
2011/11/07(月) 06:13:31.27 ID:WE841c1m0
「やれやれ……」

そうやって僕は呟く。
何だか不幸に浸っているのにも飽きてきた。
たまには不幸に浸っていないとやっていけないが、
不幸にどっぷり浸かるのも結局自分の気を滅入らせるだけだろう。
まあ、僕はこれまでも何とかやってきたし、
これからも何とかなるんだろし、何とかするだろう。
彼女がいないくらい、気にするほどの事でもない。
……そういう事にしておかないと、今日を乗り切れない気もするし。

僕はハンバーガーショップの椅子から立ち上がって、店外に出た。
街中、見渡せば周囲カップルだらけ。
夢見るような仕種で、二人幸せそうに歩いている。
こんな日に一人でいると、自分が他人より劣っている様な気がして仕方がなくなる。
駄目だ、駄目だ。そんな事を考えてても意味が無い。
こんな時は早く帰って寝るのが賢明なんだ。

でも、やっぱり気にしてしまう自分も居る。
心なしか周囲のカップルに、哀れみの視線を向けられている気がしてしまう。

可哀想に。寂しい奴。情けない男。

何となくそんな言葉が聞こえてくる気がしてくる。
いやいや、僕は幻聴持ちではない。
ええい、カップルども、寄るな寄るな!
寄らば斬るっ!

……考えていて情けなくなってきた。
本気で走って帰ろうかとさえ思った。

「まったく……、何だよ、もう。
何だよ、カップル。何だよ、自分……」

呟きながら歩調を速める。
クリスマスはカップルで過ごすものだと決めた奴は誰なんだ、もう。
そんな事を気にしてしまってる自分も何なんだ、畜生。

そうやって、速足で歩いていたせいだろうか。
僕は交差点から突然飛び出してきた人影を、避ける事が出来なかった。

「うわっ!」

「痛っ!」

女性特有の柔らかい感触がしたかと思うと、
二人でもつれてその場に倒れ込んでしまった。
冬に転んだ経験がある人なら分かると思うけど、
冬は肌が乾燥して収縮しているために相当衝撃に弱いのである。
単純に言うと凄く痛いのである。

「いったぁー……」

思わず呟いてしまう。
出血はしてなかったけれど、痛いものは痛いのだ。
でも、立てないほどじゃない。
僕は身体を払って立ち上がり、ぶつかった人に目を移して声を掛ける。


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