過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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nu
[saga]
2011/11/17(木) 19:05:13.62 ID:sq+AP/cA0
だから、僕はまた笑った。
心の底から滲み出るような笑いを止める事が出来なかった。
「ねえ、先生?
死ぬのは魅力的ですよね。死は救いで、幸福でもありますよね。
死んでしまいたいって気持ちは、これまでも、これからも消えないと思います。
でも、先生……、それには一つ大きな問題があるんですよね」
「大きな問題……?」
きょとんとした表情で先生が首を傾げる。
出刃包丁を手に持ちながら、それは無駄に可愛らしい仕種だった。
僕は大きく嘆息してから続ける。
「女性の自殺は衝動的な事が大半だから、
目撃した際には止めなければならないと前に先生から教わりました」
一瞬にして、二人で押し黙る。
イヴの夜空の下、見つめ合う恋人みたいな沈黙が僕等を包む。
数秒後、先生が包丁を持ったまま手を叩いて笑った。
「あはっ。あっははははははは!
何言ってんの、うひゃひゃひゃひゃひゃ!」
普段、実年齢より少しは若く見える先生だけど、
その行動は途轍もなく巷に溢れるおばさんっぽかった。
まあ、先生もそういう年齢なんだから、
行動がおばさんっぽくても何の問題も無い。
うひゃひゃひゃって笑い声はどうかと思うが。
一頻り笑った後。
笑い過ぎて流れてしまったらしい涙を拭いながら、
先生は持っていた包丁を自分の鞄の中に仕舞い込んで言った。
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