213: ◆lCKg0rpFuc[sage saga]
2011/11/23(水) 11:02:33.52 ID:ZT28//0P0
「ずっと三人でいられたらいいね」
そう言ってアイツの先を歩く。ああ、そうだなと言うアイツが愛しい。
でも、どれだけ頑張ってもあと百年も一緒にいられない。
人生って長いように今は見えるけど、歴史の流れの中ではほんの一瞬。
なんだかそう考えると少し寂しくなる。
「アンタは最後なんだからね。私達は絶対アンタのいない世界をもう二度と経験したくない」
頑張って生きてね、と笑いながら振り向きざまにアイツの胸にパンチ一発。
分かってるって、と言うあいつの胸に飛び込んでぎゅーっと抱きつく。
安心するなあ、この厚くて広い胸。
いい匂いがする。ちゅーしたくなっちゃう。
「お、お、ねえ、さま? まー! お姉様! 往来のど真ん中でなんてふしだらな!」
きゃっ! 黒子だ!
逃げるわよ、とアイツの手をつかんで走り出す。
「くーろこー、テレポートで追いかけて来たら電撃だからねー。寮監にはもう少し遅くなるって言っておいてねー」
「お姉様ー! わたくしの顔を見て逃げるなんてあんまりですのー!」
ごめんねー、今度埋め合わせするからー、そう言って後ろに向かってひらひらと手を振る。
くすっ。遅くなるんだってさ。ね、アンタ、どうして遅くなるって言ったか分かってる?
私達は笑いあいながら手を繋いで走り、夕闇の迫りつつある街に消えていった。
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