8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県)[sage saga]
2011/11/08(火) 18:47:45.12 ID:vKEitTMY0
「お、おじゃまします」
初めて入るアイツの部屋。こんな形で入る事になるとはね。
インデックスはぱたぱたと中に走っていき、テーブルの前にぺたんと座った。
きっとあそこがあの子の定位置なんだろう。
猫を抱いている。可愛いなぁ。私も抱きたいけど、無理なんだよなぁ。
「御坂もそこに座ってればいいんだなー。食事は私が作るのだー。
シスターと話があるんだろー?兄貴と上条当麻の関係は後で話してやるぞー」
そう言って舞夏はそそくさと台所に立っていった。悪いわね。
さて、と。聞きたい事も言いたい事もてんこ盛りだ。
何から話していいのやら。
口ごもっていると先にインデックスが口を開いた。
「だいじょうぶだよ、みこと。とうまは絶対に生きて帰ってきてくれるから。
とうまはいつもいつも危ない事に顔を突っ込むけど、怪我したって絶対帰ってきてくれたもん。
だから今回もきっとけろっとした顔で帰ってきてくれるんだよ」
それより……みこともとうまが記憶を失ってるって知ってるんだね。
インデックスは少し悲しそうに言った。
ああ、しまった。さっき、あんた『も』って言っちゃった。
でもこの子もみこと『も』って言ったからいいのかな。
「うん。いつからかは知らないけどね」
そう私が言うと、彼女はぽつりぽつりと語りだした。
ちゃんと薄く笑顔を作って、私の目を優しく見つめながら。
台所の舞夏には聞こえないような小さな声で。
一年に一度、記憶を奪われ続けた事。完全記憶能力で十万三千冊の魔道書を覚えている事。
身を守っていた霊装をアイツの能力で壊されて真っ裸を見られた事。
毎年記憶を奪われ続ける運命をアイツが救った事。多分その時アイツが記憶を失った事。
ステイルさんとか神裂さんとかの魔術師の話。
それ以来、居候のようにアイツに面倒見てもらってる事。
アイツが学校帰りにたまに一緒にいる黒髪の美少女もアイツが救った人だという事。
それ以来アイツに襲い掛かる数々の面倒事。
学園に現れた天使。インデックスの科学の知識を求める電話。
まさかとは思ったが、その時インデックスはなんと一方通行と出会っていた。
私によく似た少女を救ったという。妹のうちの一人だろうか。
そして囚われたインデックスを助けるためにアイツはロシアにいた、という事。
インデックスの実体はイギリスにいて、遠隔操作霊装とやらであの要塞に囚われていた事。
そこでアイツの記憶の喪失を知った事。
そんな話を語って聞かせた。
「いたけどいなかった」とはそういう意味か。
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