過去ログ - 生徒会長「――キスがしたい」 男「……ああ、良いぞ」
1- 20
109: ◆1IahjnNtgQ
2012/07/22(日) 03:15:57.08 ID:Upfq2Xn9o
男「何?」

メイド「お嬢様の事をどう思ってるのか、というのが聞きたいです」

男「どう、と言われてもな……」

メイド「なんでも構いま――良いです。率直にどう思ってるのかが気になります」

男「んー……良い人だと思うぞ。俺なんかとは釣り合わないくらいに」

メイド「釣り合わない、ですか?」

男「ああ。言ってしまえば俺は極々普通の一般人だ。何も特筆する事なんて無い。それに比べて会長はどうだ?」

男「容姿端麗、頭脳明晰、身体能力抜群、血統家柄も文句なし。俺とは天と地ほどの差がある」

メイド「それでも、お嬢様は男さんを選びました」

男「そこだ。そこがまったく分からない。なんで俺みたいな特別でもなんでもない奴を選んだのか理解不能だ」

メイド「私にも分からないですが、もし私がお嬢様の立場だった場合、そういう『普通』に憧れたのでは?」

男「ふうん?」

メイド「お嬢様に対して一切の引け目を取らず、対等に、極々普通に接している。それがお嬢様の心を動かしたのでは、と私は思います」

男「ああ、そういえばそんな事を言ってたな、会長」

メイド「これが真実かどうかは分かりかねま――分からないですが、私ならそう考えます」

男「ん、ありがと」

メイド「いえ、あくまで私の考えを述べただけですので……」

男「その他人の意見っていうのは物凄く大事な事だって俺は思う」

男「一人で考えるだけじゃあ一人の考えでしかない。そんなのじゃあ、ただの独りよがりだ」

メイド「……そうですね。確かにその通りです」

コンコン

生徒会長「男、メイド、入っても良いか?」

男「ああ、良いぞ」

ガチャ

生徒会長「すまない。待たせた」――パタン

男「おかえり、会長」

生徒会長「ん……ただいま」

メイド「それでは、私はこれにて失礼します。何か御用がありましたらお申し付け下さいませ」

生徒会長「いや、大丈夫だよ。メイドもゆっくり休むと良い」

メイド「ありがとうございます。では、おやすみなさいませ」

ガチャ――パタン

男「……そうか。もうこんな時間なのか。世間じゃ深夜に入る頃だな」

生徒会長「そうだな。もう深い深い夜だ」

生徒会長「それに、今日は新月。何か秘密にしたいような事をするならば今日だな」

男「……随分と変な言い回しだな。どういう事だ?」

生徒会長「……察してくれると嬉しいのだが」

男「心当たりはあるが、確信は持っていない」

生徒会長「やれやれ……前回と同じく君はいぢわるだな。本当は分かっている癖に……。ならば、同じように言おう。男」

生徒会長「――キスがしたい」

男「……ああ、良いぞ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
167Res/130.91 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice