過去ログ - 杏子「魔法少女と魔女が仲良くなった…だと?」 ギーゼラ「今回でパート3だね」
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881:>>1(=セヴァン) ◆SEVAN.goO2[sage saga 黒幕さんの憂鬱]
2012/01/08(日) 04:00:21.18 ID:YY9pbjnv0
―――地球の西暦に合わせれば2030年。魔女から絶望が失われて19年が経とうとしていた頃。
その少女は海のように蒼く、空のように澄んだ瞳で『ソレ』を睨みつけていた。


   「クリームヒルト・グレートヒェン。全く、厄介な事をしてくれたものね」

   「貴女の『世界を変える願い(ザレゴト)』のせいで、私の仕事は増える一方よ」


彼女が目を通しているのは、とある魔女に関する資料。『個体名:鹿目まどか』と左上に小さく書かれた1枚の紙。
写真はもちろんの事、基礎戦闘力や固有魔法、そして契約内容まで全て詳細に載っている完璧なデータだ。

戦闘力の欄は測定値を遥かに超え計測不能になっていたが、彼女はそんな所に目もくれず。
そのデータの『契約内容』の欄を見ては溜め息を吐き、何度取り替えたかも忘れたボディで頬杖を突く。
眠気を和らげるために、ん。と彼女が声を漏らして伸びをした時だった。

突然、いつもの電話の音が鳴り響く。


   「もう…今度は何なのよ」


部下のインキュベーターからの連絡。いつも行われる業務報告だろうと思いつつも受話器を取る。
しかし語られる内容は、彼女を意識を呼び覚ますには十分すぎるものであった。


   「そう…やっとシステムの修正が利いたのね」

   「あぁ、待って頂戴。今から切り替えを行えば、また邪魔が入るかもしれない」

   「…そうね。『魔女化システム』を再実行する前に、一度リセットしないと―――」



   ―――地球に現存する『魔女(エネルギー)』すべてを一斉回収しなさい―――

   ―――システム更新中は、妨害防止に『魔物(セキュリティ)』を配備しておくわ―――



少女はイスから立ち上がり、厳重な警備のドアを潜り抜けて施設の外へ出る。
近未来的な施設が立ち並ぶ街の中で、その蒼く澄んだ瞳は―――

―――消し去りたい『自分』を見るかのように、遥か遠くの宙に映る蒼い星を見つめていた。


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