2:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:28:17.71 ID:5sF5QnsP0
１
ﾋﾞｭｳｩｩｩｩ………
旅人「…………」ｶﾂｯ ｶﾂｯ
3:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:29:58.81 ID:dYaKWNFe0
旅人「…………」ｸﾞｲｯ
ﾋﾞｭｳｯ
時折、風に舞う砂をコートの襟を立てて防ぎながら男は歩き続ける
4:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:31:24.22 ID:cNW2q8Ee0
旅人「…………」ﾋﾟﾀｯ
それまで、一度も歩みを止める事のなかった男が、足を止めた
旅人「…………」ｽｯ
5:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:36:13.69 ID:cNW2q8Ee0
旅人「…………」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ
コートに付いた埃を払いながら、しばしの雨宿りをしている
旅人「…………」
6:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:38:37.94 ID:2lks+YAb0
老人「今、茶を入れよう。そこのソファーにでも座ってなされ」
そう言うと、老人は奥へと消えて行った
旅人「…………」ﾎﾞｽｯ
7:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:40:59.02 ID:lYibCYjb0
老人「しかし、こんなご時世に旅とは珍しいの。何か目的でも？」
男はコクリと黙って頷いた
老人「ほっほっほっ。そうかそうか。うんうん」
8:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:42:47.49 ID:2lks+YAb0
老人「それで、ばぁさんが死に、今ではこの家にワシが一人で住んでいるわけじゃ」
老人は、ふぅっとため息をつき、やっと長い話を終えたようだった
旅人「…………」ｸﾙｯ
9:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:44:05.06 ID:lYibCYjb0
老人が、奥から男の元へと戻ってきた。その手には１本の苗木が握られていた
旅人「…………」
老人は男の前に立つとゆっくりと話し出す
10:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:45:18.62 ID:3TlLZRYu0
老人「しかしな、つい先日、新たに芽が出たんじゃ。それを接ぎ木して、大切に育てたのじゃ」
男は黙って話を聞いている
老人「しかし、この苗木も、この土地に植えたらまた枯れてしまうかもしれん。どうしようか悩んでいた時じゃ……」
11:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:48:59.11 ID:lYibCYjb0
旅人「…………」
男は老人を黙って見つめる
12:自転車 ◆x1uhMp/0TmMS
2011/11/14(月) 11:51:36.18 ID:3TlLZRYu0
旅人「…………」ｶﾂ ｺﾂ
老人と別れてから数日。男はまだ荒野を歩いていた
旅人「…………」ｶﾂ ｶﾂ
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