過去ログ - ちなつ「ラブストーリー」
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6: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/11/20(日) 21:42:49.11 ID:S6TbHtyy0
中学生になるまでの一年間、結衣ちゃんやもう一人の幼馴染京子ちゃんとはほとんど会わなかったから昔は当然のように知っていたことすら忘れてしまった。
ちなつちゃんは「ふーん」と考え込むような仕草を見せた。私に本を押し付けてから。

あかり「わー、色々おいしそうなのがたくさんあるねぇ」

可愛いマカロンの表紙に惹かれて、押し付けられた束の一番上にあった本に目を落とす。
ちなつちゃんは「うん」という頷きとも「うーん」という唸りともとれるような声で私の言葉に相槌を打った。果たしてそれが相槌だったのかどうかすらよくわからないけど、ちなつちゃんはきっと私の話を聞いてくれているだろうから構わない。

あかり「あ、これなんてどうかな」

ぺらぺらとページをめくっていき、私はあるところで手を止めた。
抹茶風味のクッキー。
クッキーなら何度もお姉ちゃんと作ったことがあるし、手伝えそうだ。それに抹茶風味だったらたとえ結衣ちゃんが甘いものが苦手でも大丈夫なはず。

ちなつ「うん、どれ?」

やっぱり。
ちなつちゃんはなにも聞いてないように見えながら、ちゃんと私の話を聞いてくれているのだ。
そのことでなんだか嬉しくなって、私はるんるんとした気分で目的のページを開けたままちなつちゃんに本を差し出した。


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