4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)[sage saga]
2011/11/21(月) 20:07:44.95 ID:3fL2CQjqo
今年の四月、私はミュージシャンを目指して東京に越してきた。
そう聞けばなんかかっこいいけど、まともな人生をなげうっただけかもしれない。
私を音楽に誘ったりっちゃんたち軽音部員はみな同じ大学に進学を決めたのに、
一人だけちゃんとした人生設計からこぼれ落ちてきてしまった。
十一月、ちょうど今ぐらいの季節。
教科書なんて終わって、受験対策の授業ばかりになった辺り。
教室のみんながアリみたいにせっせと問題集に向き合う中で、
一人だけぼんやり窓ばかり見てた気がする。
うすら曇りの真っ白な空から乾燥した光が射してて、
ささくれをちょっと噛んだりしながらまぶしさに目を細めて、
頭の中でいろんなことを回しながらいつの間にか眠ってしまって、授業が終わっていたりとかするような。
移動教室に気づかなくていつの間にか教室に人がいなくなってたりして、怖くなった。
私だって、私の勉強をしてるんだ。
そう、自分自身に見せつけるために軽音部のみんなの方へのめり込んでいった。
受験勉強のじゃまにならないように、って避けようともしちゃったけど、
澪ちゃんが「唯には唯の勉強があるんだから、協力させてよ」って言ってくれて。
あれは、ほんとにうれしかった。あの話すると澪ちゃんいやがるけど。
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