13:にゃんこ[saga]
2011/11/23(水) 19:32:02.43 ID:sZ6AzS2D0
「ちょっと、空。
広島の人が皆、広島弁を使うと思うちょったらあかんばい。
あたし達も皆が福岡の言葉を使うわけやなかやろ?
勝手な期待を掛けてちゃ、広島の人達にも失礼ばい」
おお、流石は旅行のプロ(仮)の麻生さんだ。
地元の小旅行ばかりしてるワタシとは一味違う。
広島の合宿で困った事があったら、麻生さんに聞いてみる事にしよう。
まあ、麻生さんが方言について話すのも少し変な気はしたが。
でも、合宿は本当に楽しみだ。
家に帰ったら、青と一緒に合宿に必要な物を話し合おう。
ワタシが頷いていると、麻生さんがいつもの朗らかな笑顔を見せた。
「楽しそうやね、空」
うん。
「広島に行くの初めてなん?」
初めて、だと思う。
「だと思うって何よー?
でも、そげやね。
もしかしたら子供の頃に行っとるかもしれんもんね」
そう、かも。
帰ったら、青に聞いてみる。
「自分より年下の弟にそれを聞くってどうなんよ。
まあ、青くんならしっかりしとるし、
子供の頃の事も空より憶えとるかもしれんねー」
悪戯っぽく麻生さんが笑う。
ワタシも少しだけ微笑む。
来週の合宿、どんな合宿になるんだろう。
皆と一緒なら、きっと楽しい合宿になるはずだ。
楽しみだなあ……。
でも、不意に不安そうな呟き声が美術室に響いた。
「広島……、広島かあ……。ううーん……」
呟いたのは鳥飼さんだった。
視線を向けてみると、複雑そうな表情で頭を抱えていた。
鳥飼さんの中で色んな葛藤が戦ってるように見える。
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