過去ログ - 初春「私に任せてください、垣根さん」
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[sage saga]
2011/12/04(日) 19:21:49.06 ID:BnPSTv+i0

 病室から出た後に、初春は医者と短い会話を交わした。


「――――じゃあ、彼がなぜ血まみれでいたかは分からないんだね?」

「はい。私が見た時はもう……意識もなかったみたいで」

「そうかい……ああ、彼の病室に行ってくれたんだろう? ありがとう」

「最初はすごく警戒されちゃいましたけど、なんとか自己紹介してきました」

「君みたいな人がいてくれるととても助かるよ。彼には自分が重体患者だっていう自覚が足りてなさそうだからね?」

「リハビリ頑張ってくださいね、ってつい言っちゃったんですけど、そんなにすぐよくなるものなんですか?」

「月並みな言葉だけど、彼の頑張り次第というところだよ? ちょっとの間は車椅子を使うことになるだろうね?」

「あ、私一時期車椅子を押してたことがあるので、お散歩とか一緒に行けたらなって思うんですけど」

「病院は退屈だろうしね。うん、数時間なら外出も大丈夫だね?」

「食事制限はあったりしますか?」

「今、点滴から流動食に戻している最中だよ。もう数日したら固形物でも構わない。でも、刺激が大きいものは避けてほしいね?」

「分かりました! 意外と元気そうでよかったです」

「君は……彼と仲がよかったのかい? 知り合いだと言ったって、それにしてもずいぶんと気にかけてくれているね」

「えっ……と、……困った人を助けるのが、『風紀委員』のつとめですから!」

「心強いね。じゃあ、これからもよろしくお願いしても構わないかな?」

「はい! 近いうちにまた来ます!」



 初春はきっと、このとき『風紀委員』という言葉で結論を先送りしたことを、後悔することになるだろう。
 それが分かるのは、まだ大分先の話である。




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