132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:38:13.40 ID:uFOG1DQZo
「ありがとう」
翼ちゃんは唐突に礼を言った。
「なんだか、また少し楽になった気がする」
「でも、たぶん、それは錯覚だよ。もしくは、どうでもよかったことだ」
「かもね」
翼ちゃんはすこし笑い、席を立った。
「あ、そうそう。翼ちゃん」
「ん?なにかな?阿良々木くん」
「忍野さんが、ゴールデンウィーク中には君を元に戻すことができる。ってさ」
「……それ、本当?」
「僕、嘘なんて吐いたことがないよ」
「そんなこと言う人嘘吐きしかいないよ……」
「……うん、まあ、でも、これは本当」
「そう……これで終わっちゃうのか……私。逃げられると思う?私」
「無理だろうね。『絶対に元に戻してみせる!ホームレスの名にかけて!』って言ってたし」
「どこから突っ込めばいいのかわからないよ」と、翼ちゃんは笑った。
時刻は午後六時。ちょうど、一時限終わったくらいだ。
さて、では、そろそろお開きとしますか。
二人で教室を出る。鍵は……まあ、誰かがかけてくれるだろう。きっと。
「じゃあ、また休み明けに」と、僕達はまったく同じタイミングで言い合い、別れた。
なんだか少し愉快な気分になった。
これが、錯覚じゃなかったらいいな。と、戯言気味に思った。
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