58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:03:22.49 ID:uFOG1DQZo
そう、成れの果てといっても、彼女は吸血鬼、食事といえば、――吸血である。
僕は彼女の小さな体躯に腕を回し、強引に持ち上げるようにしながら、僕は彼女の口を
僕の首筋へと導く。まるで抱き合うように。存在していることを、確かめるように。
怪異のオーソリティ、忍野メメの手に掛かって体質を改造され、僕の血液以外は受けつ
けない身体にされている――裏を返せば、定期的に僕の血を与えつづけないと、彼女は、
怪異の王とまで言われた彼女は、それだけであっけなく死んでしまうのだ。
だからこれは、彼女にしてみれば食事ともいえない、栄養点滴とでもいうべき行為なの
かもしれない。
でも、栄養点滴だろうが、植物人間だろうが、僕には構わない。とにかく、僕は彼女に
生きてもらいたい。
彼女がどう思おうとも。
僕のわがままだとわかっていても。
だから、彼女が僕の血を吸うたびに、僕がより人間らしからぬモノとなるたびに、僕は
安心してしまうのだ。
ないはずの心が、安定するのだ。
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