過去ログ - 黒子「……好きにすれば、いいですの」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県)[sage saga]
2011/11/26(土) 01:33:32.36 ID:Cp32iA0do
「んっ……ふっ……」

 湿った音が、室内に響く。

 寝具の上に、半裸の男女。

 閉められたカーテンを透かす陽光にシルエットは、両人の頭がある一点をもって重なっていた。

「んんっ!」

 ぐっ、と頭を後ろから押さえつけられ、白井は思わず身を硬めた。

 口付けが深くなる。

 驚きに見開いた目と同様、半ば開いてしまった唇を、彼の舌先がこじ開ける。

 今まで唇の表面を這うだけだった舌は、一息に口腔内の、ちょうど歯の裏くらいまで侵入してきた。

「んんっ!? んんんっ! んんんんっ!」

 首を振り、顔を離そうとする。己の舌先で、彼の舌を堰き止めようと努力する。

 辛うじて歯を立てなかったのは、彼を思いやったのではなく、彼の機嫌を損ねたとき、美琴の身に振るかかることを恐れたからだ。

 しかし、唇は離れることなく、舌はとまらない。

「んううっ!?」

 逆に口の中で壁を作るようにしていた舌を巧みに絡めとられた。
 
 まるで対極図のように絡んだ舌は、今度はもう外れない。

 でたらめに動かし、はずそうと試みるが、その動きすらも逆手にとられ、より強く舌同士が絡み合う

 両腕を突っ張り、カッターシャツはおろかインナー代わりにTシャツを脱いだ彼の裸の胸を必死に押すが、そちらもまったく無意味だった。

 彼の腕力は強い。

 特別鍛えているという風情ではないが、荒事は豊富と聞いていた。おそらく、自然についた筋肉なのだろう。

 荒事の経験としなやかな筋肉は、格闘技経験がないにも関わらず、白井が紀委員として修めた格闘の技術も封じてしまっている。
 
 結論として。

 空間移動を封じられた今、白井がどんなに抵抗しても、無駄なのだ。

「…………」

 いや、そもそも。

 自分の身を捧げると決めた時点で、抵抗などする選択肢はなかったのだった。

 白井の胸中にある種の諦観が生まれる。

 それは彼女から抗う力を奪い、状況を受け入れる隙間へと変化した。

 少女の唇が、舌が、抵抗をやめ。

彼を受け入れる。

「んっ……んぅ……んふ……」

 うねうねと動く舌が自分のそれを絡み取り、唾液を攪拌するように動く。

 粘質な水音が大きくなり、時折角度を変えて重なる唇の端から、とろりと唾液がこぼれた。

 そして、つぅっ、と糸をひいた唾液が、ポトリとシーツに染みを作った時。

「っ!」

 彼の左手。

 頭を抱える右手と逆に、自由に動く彼の左手が。

 つつ、と白井の肩に触れ――胸覆う布の、肩紐を、するりと外側にずらした。


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