過去ログ - 黒子「……好きにすれば、いいですの」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(岡山県)
[sage saga]
2011/11/26(土) 01:36:01.93 ID:Cp32iA0do
パァーン、と、破裂音にも似た高い音がコンビニに響いた。
周囲にいた客と、カウンターに立つ店員が何事かと視線を向ける。
雑誌コーナーに立つ、常盤台中学校の制服。
美琴だ。
「・・・・・・」
図らずも注目を集めることになった彼女であるが、そっちの方にはまるっきり意識を払えない。
無論、自分に集まる視線は把握しているが、ちょっとそちらに回す余裕がなかった。
落ち込んだ気分は晴れることなく、ついいつもの習慣で入ったいつものコンビニ。
いつものように立ち読みしようとして、いつもの雑誌を手にとって、いつものように開いた瞬間。
目に飛び込んできたのは、見開き一杯のキスシーンであった。
(ふにゃにゃにゃにゃ……)
妙な声を頭の中で繰り返す。
声に出さないあたりは、辛うじてここがコンビニだという自覚はあるらしい。
それでもタイミングがよすぎた。いや、悪すぎた。
美琴は反射的に閉じた本を、内心で「ふにゃふにゃ」言いながら小脇に抱え、浮き足立った様子でレジに一直線。
その動きにあわせて他の客と店員の視線が動き、結局、会計を済ませて店を出る前、奇妙な空気は継続されることとなった。
結局、元の公園に舞い戻った。
ふにゃふにゃ言う自分に気がつかないまま、再び「ちぇいさー」とミドルキック。
自販機もまさか一日二回もけられるとは思わなかったらしい。ヤシノミサイダーを、3本もはく羽目になった。
(きゃー! きゃー! きゃー!)
一方の美琴は、先ほどからベンチに腰掛け、雑誌を開いてはパーン! 開いてはパーン! を繰り返している。
正直怖いが、怖い人に声をかける者はそうはいない。
何より、違法行為が何もないのだ。通報することはできても、連衡するには無理がある。
その上、彼女は第3位だ。風紀委員もアンチスキルも、うかつに手は出せない。
(えっ!? そ、そこまでするの!? いいの!? これ、普通の雑誌なのに!?)
続きをめくって、美琴の顔はさらに赤くなる。
読んでいるのは、いつも立ち読みしている雑誌でも、お気に入りの漫画だ。
ツンツンした少女と、鈍感だがまっすぐな少年のドタバタラブコメディ。
そんなどこかで聞いたような、というか、思いっきり自分を重ね合わせることのできるストーリー。
先週のラストから、いよいよ主人公とヒロインが心を通わせる山場に突入するのは、美琴にもわかっていた。
しかし実際に、絵としてみると破壊力が違う。何より、自分の心持が違う。
美琴の脳裏に、漫画と連動して、妙な想像――世間様ではそれを妄想と呼ぶ――が浮かぶ。
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