過去ログ - 黒子「……好きにすれば、いいですの」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県)[sage saga]
2011/11/26(土) 01:09:39.52 ID:Cp32iA0do
「ふにゃ!? すすすすすすす!?」

顔を赤く染めた美琴が、カチリと硬直する。

上条は、彼にしてとても珍しい、いわゆる「女性を愛でる」笑みを浮かべ、右手を持ち上げた。

「美琴」

そっ、と右手が、幻想殺しが、桃のような少女の左頬に添えられた。 

「ふにゃ、にゃ、にゃぁ……」

ぷしゅー、と美琴の頭から湯気が噴出した。

学園都市第3位。

つまり学園と、都市で3番目に聡明と言って過言ではない彼女の頭脳は、頬の丸みと柔らかさを楽しむように動く、上条の右手に侵食され、、完璧に停止した。

無理もない。

恩と、感謝と、それらを全て圧倒する恋心。

若干14歳の彼女が受け止めるには、それら感情の複合体は、あまりにも大きすぎたのだ。

「美琴」

上条が、頬に添えた指を僅かに動かし、少女の名を呼ぶ。

「は、はい……」

夢見心地。
 
あの実験場の夜から、昨夜まで。

夢の中で何度も見た光景が、いま目の前にあるのだ。

美琴はもはや、何も考えることができない。

何も、考えたくはない。

ただいまこの瞬間が、泡のごとく消えないことを、祈るのみだ。



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