過去ログ - 黒子「……好きにすれば、いいですの」
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(岡山県)
[sage saga]
2011/11/26(土) 01:12:55.63 ID:Cp32iA0do
「はぁ」
美琴は公園のベンチに座り、ため息をついた。
憂鬱というよりも、何かの感情を吐き出したような呼気は、両手で握ったヤシノミサイダーの飲み口に触れて、消えていく。
いつもの公園。
ちぇいさー、といったところなのだが、出てきたのはこの一本だけ。やはり、今日は、どこか調子が狂っている。
今朝あれから、ベッドで悶々とすること、気がつけば一時間。
休日とはいえ起床が少々遅くなったことに気がついた美琴は、気分転換に街に出ていた。
服装はいつもどおりの常盤台の制服だが、髪にはトレードマークとも言える髪飾りはつけられていない。
髪が乾いていないせいだ。
ドライヤーは音が大きい。
美琴がベッドから身を起こしたとき、白井はまだ眠っていた。
いつもなら美琴とほぼ同じ時間帯(つまり今朝よりはずいぶん早い時間)に起きるのだが、今日はベッドに沈んでいたのである。
昨夜は風紀委員の仕事がずいぶん忙しかったらしい。やけに遅く帰ってきたと思ったら、すぐにシャワーを浴びて寝てしまった。顔色も悪かったし、今朝心配になって覗き込んでみたら、どうにも疲労が抜けきっていない様子だったのだ。
そんなわけで美琴はいま、髪を乾かしがてら、暇つぶしの散歩に興じている。
自然の風に晒してしまうのは傷みが心配であるし、何よりそんな頭を人に見られたくはない。
そう思っていたら、脚はいつの間にか、いつもの公園に向かっていた。
(なんて夢見ちゃったのよ、私ったら……)
ぽわり、と、己の手元を見る視界に、夢の中で見た上条の真剣な眼差しが浮かぶ。
彼はゆっくりと顔を近づけてきていた。そして右手は自分の頬。
目を覚まさなければ、あの後どんな光景になっていたかなど、考えるまでもない。
(わ、わたし、あ、アイツと、き、き、キ……)
ぷっしゅー! と美琴の顔から、本日二回目の湯気が噴出した。
(そ、そりゃ私だってアイツには感謝してるし、それこそ恩だってあるし、でもだって、そんな私がそんな……で、でも夢は願望だって言うし……が、願望?)
視界に、上条の真剣な表情が――
ぷっしゅー! と三度、美琴の顔から湯気があがった。
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