過去ログ - コウ・ウラキ「おい、そろそろ目を覚ましてくれないか?」
1- 20
5:名無しLT ◆BiueBUQBNg[sage]
2011/11/26(土) 19:36:29.24 ID:2DtEXX9no
 ー3時間後ー
  「敵機30、彼我戦力差2:1」
  増援に現れたアークエンジェルのブリッジで、サイド5の反ジオンレジスタンス「サテリコン」出身のオペレーター、
 パーラ・シスが悲鳴を上げた。
 「たっく、3つあるから一つ一つ潰してきゃいいって、考えが単純すぎンだよ」
 愛機(ティターンズから鹵獲したガンダムMK−X)の補給に戻ったアークエンジェル艦載MS隊隊長ムゥ・ラ・フラガ大尉が、
ハンガーで栄養剤入りのグレープフルーツジュースのストローから口を離し、恋人であるアークエンジェル艦長マリュー・ラミアス大尉
に向き合って、いった。
 「始まってしまったことよ。今さらどうこう言わないで。大体、3機も撃墜して帰った後に言う台詞じゃないわよ」
 「お陰でライフルもインコムも空っぽだよ。整備に時間がかかる分、休めていいけどね」
 言うなり彼は力を抜き、彼女の肉体の中でも最も彼が愛し、賞賛し、執着して止まない部位―当時はパイロットの一人でもあった
カガリ・ユラ・アスハを中心とした、「ある種の女性は周囲に与える影響からいって無重力圏での活動に適していないのではないか」
との深刻な議論を巻き起しもした―である二つの膨らみに顔面を押しつけるようにしてもたれかかった。恋人の抗議も周囲の視線も、
もはや気に止まらない。
 (畜生。こうするしかないのは分かっていても、後でウラキの奴に多少嫌味をいってやらんと気が済まん。だが俺も奴も、
2時間後生きているかどうか…)
 そう考えながら、彼は海溝のように深く、短いまどろみに落ちていった。

 勝機は思いがけずに現れた。その名の通り全センチュリオの指揮統制を司る機体、インペラトール(ラテン語での本来の意味は将軍である)
と、第一線部隊であるセンチュリオの群れの間に大きめの間隙が開いたのだ。もとより迂回しての侵入は望めない。それでも、モビルスーツ
一個小隊が展開するには十分な地積ではあった。
 センチュリオの試作型実験機トライアが、インペラトールの眼前に飛び込みつつ八双に構えた獲物―ブレード・ルミナリウム―を振り下ろした。
マシンチャイルド故、としか言いようのない直感によって好機を捕え、切り結んでいたセンチュリオの獲物を差し出した右腕、次いで頭部を踏み台
にして飛び上がり、ジェネシスの壁面から離脱。次いでスラスターをふかし、一挙に女王蜂をねらったのだ。
 紙一重で致命傷は免れたが、機体前面は大きく切り裂かれ、キャノピーから搭乗者の顔が見えた。バイザーをかけた上にヘルメットを被ってはいても、
それは明らかに、トライアの搭乗者、ディー・トリエルと同じ顔であった。
 怯まず獲物を真横に切り返す。トライアの正面も切り裂かれる。隔てるものなく、二人は見つめあった。
 (ゼノビアーーッ!)
 (私は…ディー・トリエル!)
 一瞬、濃厚な思念の粒と波が真空を飛び交った。と見るや、二つの機体は同時に間合いをとった。互いに銃―ランチャー・ジェミナス―を射ちながら
前後左右に駆け続ける。トライアの方が先に弾が切れた。銃を放り捨て、素手のまま駆けだした。次々に被弾し、装甲に穴が開き、自己修復も追いつかずに
崩れ落ちていく。それこそがトリエルの狙いだった。軽くなった。
 ノーマ・レギオの計算よりも0,3秒早く、トライアはインペラトールの前に着いた。両手に握られたブレード・ルミナリウムが胸に突き刺された。対応すべく
急速に生成され、右下から切り上げられたブレード・ルミナリウムは、トライアの左足を切り離すに止まった。
 インペラトールは死んだ。ナノマシンと月光蝶により作り上げられたその機体にとっての最後は、破壊されることではなく、まさに死ぬことであった。
制御を失ったナノマシンは結合を解き、次々に自らの月光蝶によって分解される。生物体でいえば免疫機構の暴走、アレルギーが最も近いだろう。
だが通常動物がアレルギーで死ぬことは少ない。
 インペラトールは虹色に発光しつつ、溶け崩れていった。統制をうしなった他のセンチュリオは、突如として動きが鈍くなり、討たれていった。
 (…お父様…)
 ノーマ・レギオの最後の想いを、ディー・トリエルだけが受け止めた


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
15Res/14.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice