過去ログ - コウ・ウラキ「おい、そろそろ目を覚ましてくれないか?」
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名無しLT
◆BiueBUQBNg
[sage]
2011/11/26(土) 19:38:28.15 ID:2DtEXX9no
訳ではない。
「負けたな」
指令室でギレン・ザビがモニターを見つつ淡々といった。戦闘開始から今まで、身じろぎもせずに保たれていた直立不動の
姿勢は全く揺るいでいない。彼は常に鉄面皮であった。彼の表情は、出撃前のノーマ・レギオに
「どうか、戦いが終わったら、父上と呼ぶことをお許しください」
と言われ、ほんの少し驚いたように三白眼を見開いて以来、完全な無表情を保っていた。
「総帥、まだ武装はあります!」
「諦めることなく、どうかご再考を!」
データ取りと制御に必要とされる科学者を中心とした幕僚の面々が叫ぶ。とはいえ彼らの表情は、ギレンとは正反対に
怯え切ったものであった。
「私は貴官らの何倍もの数の勝利と敗北を経験したのだぞ。その私が言っているのだ。最早我々に勝ち目はない」
8年の雌伏を経た計画が敗北に終わったというのに、彼の態度は未練がましくも潔くもなく、例のごとく傲慢不遜であった。
「私はこれからジェネシスを自爆させて自決する。逃げるなら早い方がよいぞ。うまくいえば逃げ切れるかも知れぬし、
捕まったとしても、貴官らの才能をあたら無駄死にさせるほど、連邦も愚かではあるまい」
息子に殺されたパトリック・ザラの死骸を蹴り飛ばし、彼の目から見れば悪趣味としかいいようのない、機能美も様式美もない、
中途半端な指令室を一人去っていく。艦艇がいくらか残っているはずのドックへと駆け去っていく幕僚の足音など、彼には雑音ですらない。
彼自身のために作られた執務室がすぐ隣にあった。ジェネシス建造にソーラ・レイの技術を提供する見返りの一つとして作らせたのだ。
本来ならば、彼が適当な時期を見計らってパトリック・ザラを除き、ここからアースノイド殲滅の指揮を執るはずであったのだが。
サイドボードからサイド3産の、ギレン自身の肖像がラベルにプリントされたブランデーの瓶を取り出す。ブランデーの中で最も品質の
高いものをナポレオンと呼ぶのは、彼がフランス皇帝であったある年、ブドウがあまりにも豊作であった事に対する対策として彼が生産を
奨励したからである。言い換えれば、それだけ農業生産力に余裕がなければ到底作ることなどできない代物である。その瓶は、彼にとって
秘かに連邦に対し誇る業績の象徴であった。
底の平たいウイスキーグラスにダブルで注いだ。豪華なマホガニー製の机に置き、見るからに快適そうな黒いソファーのような執務用の
椅子に腰掛けようとした。が、ほんの少し物を思うような表情を作って中腰から再び立ち上がり、グラスをもう一つ用意して、ダブルに注ぎ、
座った時に向かい合う相手の為の位置に置いた。
座り、机の引き出しから自爆スイッチを取り出す。彼はグラスを誰もいない前方に掲げ、言った。
「子を持つというのは、いいものだな。ドズルよ」
ギレンは一息にブランデーを飲み下し、スイッチを押した。
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