過去ログ - マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目
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445:>>1 ◆FnwJR8ZMh2[saga]
2013/02/07(木) 04:06:53.36 ID:J3/JFd5AO
 唇を噛み締め、拳をきつく握るカタギリの様子を見て、もう何も言うことは出来なかった。
 ただ一つ、生きて任務を終わらせることだけが真相を知る術なのだろう。
 相手はガンダム。それも相当の手練れが駆る、暴力の化身。
 倒さねばならぬ、という使命感と共に、また戦える、という高揚感が沸々と湧き上がってくるのが分かる。
 盟友達に延びた魔の手の真相が掴めぬ不快感、それ故に生まれるわだかまりから離れるように、兵士としての自分に浸っていく。

 この不明を、後に酷く後悔するとも知らずに。



――ジオン・秘密基地――


 ひっきりなしに響き渡る基地内放送、止まることのない人の流れとコンテナの山。
 減ればまた積み上げられ、集まったかと思えばまた目の前を通り過ぎていく。
 為せることなど何一つ無いというのに、毎日足繁く通う自分に気付いたのは、つい最近のことである。

デュバル「まさに壮観、だな」

 キャットウォークの広めの場所に寄りかかり、絶え間なく動く人と物を見つめ、ただ過ぎ行く時間に身を任せる。
 昨晩のGN―X襲撃も偵察だったのだろうか、幾何と戦わぬ内に退いてしまった。
 こんなことが続くものだから、戦闘要員である自身は、たとえ自ら申し出たとしても何もさせてはもらえなくなっていた。
 これは数少ない【袖付き】からの援軍であると同時に、疑似太陽炉搭載型ヅダに乗れる人間が自分独りのみという事実を暗に証明してもいた。

 限られた人間しか乗ることの出来ない、操縦難度の高いMS。
 機動兵器としては失格とも言える事実より、自身がヅダに選ばれし存在だと夢想し逃避している自分に嫌気が差す。

兵士「デュバル少佐、お疲れ様です」

デュバル「うむ」


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