109: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2011/12/02(金) 20:50:03.01 ID:ffsGP3FIO
「……学校っていつの話よ……懐かしいわね、そういえば十年前はよく三人で寝たかしらね……」
二人の頭を撫でながら微笑む。
二人に触れると、十年の月日はより克明に実感として伝わってくる。
――あんなに小さくて、可愛いかった子達がこんなにかっこよくなっちゃって……。
「二人とも、赤ちゃんみたいですね。とミサカは微笑ましく思います」
00001号はニマニマしながら二人と、その二人を見つめる一人の女性を見つめる。
「というか、芳川博士、三人で寝たってかなりきわどい発言だよね。とミサカはのほほんとした雰囲気をぶち壊します」
「貴女達がちゃんとに実験を嫌がってくれるように本来なら消される感情を消さないようにと努力した結果がこれか……あんた強い子に育つわよ」
そう、本来ならば妹達はこの二人の様に感情豊かなものではない。
学習装置により、完全に脳構造を整頓し、全くの同じ個体になるはずであった。
芳川は最初失敗に失敗を続け、それで実験自体を中止させようとしていた。
だが同僚のある男が、芳川の失敗は故意によるものと判断し、本来のクローン生成は全て芳川に任せるという規約を反故。
芳川には秘密で勝手に二体生成した。
生まれたクローンが実験を拒否しない様、学習装置では感情消去プラグラムというものがまずクローンにインストールされる。
そうなってしまったら、妹達個々に感情を芽生えさせるのは至難の技だ。
だから、芳川は感情消去などいつでもできるのだからまずは調整をしつつ、自然体でのクローンを観察するべきだと申し出た。
そして研究所の職員を何人かに金を渡し、その申し出を無理矢理通す。
そのまま約一ヶ月粘り、そして、二人を連れて逃げ出した。
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