2: ◆hZ/DqVYZ7nkr[sage saga]
2011/11/30(水) 02:06:27.79 ID:facbNr1eo
〜〜〜
「断る」
狭い部屋にはテーブルが一つ。
その横には四つの椅子が備えてあり、現在は二つが使用中である。
テーブルの上にはまだ温かみを失っていないコーヒーがゆらゆらと湯気を出している。
カップの傍らには未使用のスティックシュガーとミルクがある事からコーヒーを出された少年はブラックを好んで飲むことがわかる。
「……最強から抜け出し、無敵になりたいと常日頃から言っていたのは嘘か?それとも自信がないのか?」
二人のうちの一人、白衣を着た研究員が挑発するように言った。
が、少年は無視。
ため息をひとつつくとコーヒーカップに手を延ばした。
挑発的な笑みを浮かべている研究員はそんな少年の行動ひとつひとつに酷く怯えているようにも見える。
少年がコーヒーを一口飲むのを待って研究員は再度口を開く。
「なぁ、一方通行。何も難しいことを言ってるわけじゃないだろう?」
少年は無視。
その態度に腹が立ったのか、研究員は机を思い切り叩き、立ち上がりながら怒鳴る。
「ッ……何が不満なんだ?!たかが二万体のクローン人形をぶっ殺すだけの事じゃねぇか!お前なら立ってたって終わるような実験だ!……何がなんでも協力してもらうぞ一方通行、お前にはその義務がある」
「……義務?笑わせンな」
少年、一方通行がやっと口を開いた。
その声は冷たく、なんの感情もこもってはいない。
そして研究員の目からはかりそめの威圧感は完全に消え去りもはや恐怖しか残ってはいない。
「お前はなンで俺が拒否してると思う?」
対する一方通行は先ほどと変わらぬ様子で問いかける。
「……実験期間が長いのは目をつむってくれこれが精一杯なんだ」
研究員は一方通行が拒否する理由は約二年にも渡る実験期間の長さが理由だと思い、答える。
「だからお前はクズなンだ……そんなもンは気にしちゃいねェよバカが」
「だったら何が問題なんだ?出来る事なら全て改善する、だから首を縦に振れ」
「お前はなンもわかっちゃいねェ……それ以上不愉快な言葉撒き散らしたらぶっ殺す」
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