過去ログ - 一方通行「青紫色の携帯電話」
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39: ◆hZ/DqVYZ7nkr[sage saga]
2011/11/30(水) 16:54:24.57 ID:facbNr1eo
「俺は道を誤らねェよ、それはお前も同じだ」

「俺たちは大丈夫だけど他の奴はダメなのか?」

「俺は本当に地獄を経験したンだ。同じような境遇のガキを見捨てたり作ったりはしねェよ」

「それは芳川も同じなんじゃないか?彼女は俺たちを大切にしてくれた。すでに強大な力が発現していた俺らをただの子供として扱ってくれた唯一の人だ。そんな彼女が俺らの十年をまったくしらねぇとは思えねぇ、そんで絶対悲しんでいてくれる」

「そんな確証がどこにあンだよ?あ?」

「俺らが道を誤らない確証もないだろう?それに俺らは十年間地獄のような真っ暗闇にいた。俺ですら『そこにいる能力者と闘って殺せ』なんてクソッタレな実験を何度もやらされそうになった。でも全部拒否って凍結させて、俺もお前も人殺しにはならなかっただろ?それは芳川が最後に言った『諦めずに自分の正義と気持ちに正直に生きろ』って言葉の結果だろ?少なくとも俺はそうだ」

垣根も一方通行も人を殺す事に一番嫌悪感を抱いている。
実験途中に死んで行った奴らを何回もみて来た。そいつらを舌打ちしながら「片付けろ」という科学者の表情も何度もみた。
自分はああはなりたくない、それが自分の正義であり心からの本音だ。
親友を失ってドン底にいる時にその正義を守れたのは芳川の言葉があったからだ。

お互いがお互いに絶望しながらもどこかで信じていたい、と思えていたのも芳川のおかげだ。
二人は芳川の言葉を自身の成長と共に育て、正しく理解していた。

芳川桔梗。

彼女がいなければこの二人はさらに辛く冷たい暗闇の中に落ちていただろう。

「……チッ、勝手にしやがれ」

垣根は言われたとおり、勝手にする事にした。

垣根が操作するのは何世代も前の型の真っ白い携帯電話だ。



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