7: ◆hZ/DqVYZ7nkr[sage]
2011/11/30(水) 02:21:24.97 ID:facbNr1eo
「しかしそういう事だったのか」
脳波、心電図など、異常がないか簡単な検査を受けたあと二人は缶のジュースを飲みながら世間話に花を咲かせていた。
「『そういう事だったのか』ってどういうことよ?」
「ん、お前がこの実験?というかテストプレイヤーに選ばれたわけだよ」
「……あー、そういう事ね。
私の能力防げれば電気系の能力者は全部OKってことになるからねぇ」
この開発協力の要請が来た際
『御坂さんの心を最も揺さぶれる人と同伴してください。
……あ、好きな人とかいたらその人がいいわ』
と言われたことを御坂は上条には話していない。
だから、ここの開発者達が微笑ましい視線で二人をみている意味を上条は知らない。
御坂はそんな視線に気づくたびに顔を赤らめているのだが……。
「でもすげぇよなぁ……自分の能力ごと中にはいれるとかどうなってるのか上条さんにはわかりませんことよ」
「あー、それは多分あれよ、脳から直接読み取ってるんじゃないかしら」
「それがバカの上条さんには意味わかんねーんだよ!」
「んー、記憶とかそういうのも電気信号だからね、その辺をこうササッと?」
「つまり、御坂もよくわかってないって事か……」
大きくため息をつきながら偉そうな事いってても上条さんと同レベルなんですね。
と毒づく。
しかし相手は中学生、自分は高校生。
それで同レベルといってしまうのは自分で自分をバカにしている事になると上条は気づかない。
「……言ってなさいよ」
御坂は気づいたが、なにやら本当に哀れに思い突っ込むのをやめた。
「というか、これはどんな研究の一環なんだ?」
「『自分だけの現実』の核を見つけようって感じの研究らしいわよ」
自分だけの現実。
簡単に言ってしまえば思い込み。
それは強い記憶の電気信号となりゲーム内にも反映される。
そこで読み取った信号を同系列の能力者でまとめ、全く同じところがあったらそれがその能力の核となるものなのではないか?
それがわかってしまえば多重能力者を生み出す事も可能なのではないか?
という研究である。
「よくわかんねーけどいいや、最新ゲーム一番に体験できたわけだしな」
上条当麻、どこまでものんきな男である。
二人はそのあと学校のことやクラスメイトの事でポツポツ話をしていると二人の向かい斜め右の部屋のドアが開いた。
出て来たのは茶髪の少年。
二人には気づかずそのまま携帯電話を取り出し、一瞬何かをためらうように顔をしかめ、電話をかけはじめた。
1002Res/763.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。