78: ◆hZ/DqVYZ7nkr[sage]
2011/12/01(木) 23:24:18.88 ID:/QGrE+6vo
「貧弱だなぁ、一日っていっても昼食ってから今までの三時間程度だろ?……研究員が勝手に決めただけだよ。……お前は?」
聞くべきではないかな?とも思ったが変に遠慮のもおかしな話だと考え、良しとする。
「ン、あー俺から振っといて悪りィが……言わなきゃダメか?」
「まぁ、言いたくないなら別にいいけどさ、名前捨てたのはなんでなんだ?」
芳川は必死に平静を保っていた。
再会してから一番聞きたかったが、聞けなかったことを垣根が話題にだしたからだ。
なぜ聞けなかったのか。
それは、自分が言ったら、責めている様に受け取ってしまうのではないかという心配からだ。
今の芳川は、自分だけは二人の事をわかってあげなくてはいけない。
時間はかかっても理解し、受け止めてあげなければならない。という過保護な親のような心境である。
「……その辺の話はまた今度話すわ、今日はしんみりしたくねェ」
「……りょーかい、でも別に無理に話さなくてもいいぜ?お前が*****だろうが一方通行だろうがお前はお前だしな、なぁ?芳川」
「へっ?えぇ、うん、そうね」
急に話を振られ、慌てて返事をする。
何気なく二人のほうに顔を向けると、垣根が「大丈夫さ」というように、ウィンクして見せた。
―― 垣根は気配り屋ね……。
私が聞こうにも聞けない事を代わりに聞いてくれたのね……まったく……本当に優しい子ね。
芳川は静かに微笑む。
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