880: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/08(日) 00:36:27.39 ID:LJhw5GtIO
〜〜〜
私が目覚めた時、一番側にいて欲しいと願った存在は既に消え失せ、私は一人だった。
彼がどこに行ったのかは分からない。
ひとつだけ確かなのは、家族だとお互いがお互いを愛し合い、必要だと認めあった塊は崩壊したと言うことだ。
「……」
私は壊れてしまった黒い携帯電話をそっと手に取り、十年間の歴史を感じさせる私の携帯電話と並べた。
「邪魔するぜ?……起きてたのか、なら返事くらいしろよ」
考え事をしていたせいか、ノックの音に気がつかなかったようだ。
「いろんな伝手を使って調べてるけどサッパリだ。でもあいつはまだこの街に居る。それは確かだ」
また、いつもの報告だ。
一日二日で何かがわかるはずもないのに、彼の親友―― 垣根帝督―― は毎日私のところに来る。
これにはきっと私が自ら命を絶たないかの監視の意味もあるだろう、と自分自身理解している。
「……」
私はうまく笑えているだろうか。
帝督もミサカちゃんも誰も悲しませたくないのに、私が笑うと二人は悲しそうに微笑む。
何故だろうか。
やはり、うまく笑えていないのだろうか。
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