882: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/08(日) 00:38:14.59 ID:LJhw5GtIO
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「芳川のあれは治るのか?」
垣根は病室を出ると自動販売機のある場所へは向かわず、カエル顏の医者のところへ足を運んだ。
「また、その話かい。それは僕でも治せない、と言ったよね?
彼女の心は彼女自身のものだからね?」
「なんでも治すんじゃねぇのかよ!」
全てがうまくいかない苛立ちを、協力者という立場の人間にぶつけてしまう。
「……すまねぇ」
「いいよ、君だってまだまだ子供なんだ。
もっと……いや、無理な話だね?」
カルテだろうか、何か書類をとんとん、と揃えるとカエル先生は大きく息を吐いた。
「それに、彼女は喋れないわけじゃない。独り言で“一方通行”の名前を何度か呟いているのを聞いているしね?
だから、あれは病気でも何でもない、なにか心に決めた事があるんじゃないのかね?」
「なにか、心……に?」
「分かったら戻るといい……ジュース、買い忘れないようにね?」
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