890: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/08(日) 00:52:36.27 ID:LJhw5GtIO
〜〜〜
「*……**?」
頬に感じる心地よい風と、細くて骨ばっているが最も頼りになる存在を全身で感じ、芳川は目を覚ました。
「寝てろ」
「よか、た……貴方が、どこか、わ、たしの、知らないところへ、行っちゃうゆめを、みてた……」
「……寝てろ」
「でも、いま、あなたは、わたしを……抱きしめていてくれる」
「寝ててくれ」
「ねぇ、わたしの気持ちは、変わらないよ……だって、わた、しは……」
「もういい、お前の声を聞かせるな」
生体電流をいじり、無理矢理眠らせた。
「みっともなく、すがっちまいそうに、なる、だろ?
俺は、もう、駄目なンだ。
何も守れないのに、本当は、お前に俺の、心ってやつを……守って欲しなンて、言えねェよ」
一方通行も帰りたいのだ。
絶対に表へは出さないと決めた心の奥底の本心も、芳川の前では丸裸にされてしまう。
唯一絶対的に最強の男は、たった一人の女性に勝てないのだ。
「芳川……俺は……いや、もう決めたンだ。
こンなバケモノが人の世界になンかいちゃいけねェンだ」
こぼれかけた心を隠すように、むき出しにされた真実を覆うように、一方通行は芳川を抱く手に力を込める。
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