過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
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598: ◆k4qYXRI5uY[sage saga]
2012/05/17(木) 22:34:40.89 ID:c+4/7Sun0






只今、街へと続く道を驀進中。爽やかな風に思いを募らせる事も出来ずに走り続けている。
後ろからは罵詈雑言が聞こえてくる。その声は野太くて自分からはお世辞でも聞きたいとはいえない声だ。

走り続けてやく二十分、どうやら俺の体は限界が近づいてきたらしい。足が震えてくる。
休みたい。

だが休む事は出来ない。理由は簡単。

「待てぁぁあああああああああ」

後ろに魔物らしき奴等がいるからだ。

「ははは、困った奴等だな」
爽やかに笑ってみる。
「何笑ってんだこるぁあ!!」
だが所詮は獣、俺の『辛い事があるなら笑え』的な茶目っ気が通じる事は無いらしく、バカにしてきたと思ったのか更に怒ったっぽい。

なにやら背中を手で探り始めた魔物。

あ、奴等、武器は鈍器だけじゃ無かったらしい。
俺は後ろの奴等が刀を取り出すところをチラッと見た。

「…………」

くそっ、奴等め、俺をスライスして叩いてハンバーグを作る気か?
なんて冗談めかして考えてみるが解決策が頭に浮かぶ事は無かった。

再び前を見て周りを見てみる。
何か役に立つ物が落ちていないかと考えていたのだが、どうやら無いらしい。

「万事休す……か」

荒い息で最後のそう呟く
選択肢、戦うを選ぶかどうかの瀬戸際だ。ここで悩まずしてどこで悩むというのだろうか?

………いや、待てよ? ちょっと考えてみろ俺。
これはゲームなんだよな? だったら最初から強い奴が出るのはおかしくないか?
だってあのポケ○ンだってそうだったじゃないか、最初は弱い奴しか出てこなかった筈だ。

俺は昔やったゲームを思い出しながら深く頷く。

そうそう、こんな最初っから出てくる奴は弱いって決まってんだよ。
そこまで考えると笑みを浮かべながら後ろを振り返った。

「っしゃぁ!! 掛かってこいや!!!」

選択肢の攻撃を選ぶ、するとまた新しい選択肢が現れた。

『武器を使いますか? yes/no』

俺は迷わずyesの方を選ぶ、また現れる選択肢。

『ではどこからか血を噴出させましょう』

いや、これは選択肢じゃないな。だって選択出来ないんだもん。
製作者出て来いっ。

俺は目の端に涙を溜めながらこちらに向かってくる魔物を見る。
すると、どうだろうか。今さっきは考え込んでいたせいで見えなかったのだろうか? 横の草陰に人影が見えた。

よく見てみるとなにやら見た事のある奴だ。
そいつの前には選択肢が出ている。よし、あいつも加勢してくれれば何とか勝てるかも知れん。

目の前に現れた光に思わず口の端を上げた。

さぁ我が友よ、一緒に戦おう。きっと二人ならこの凶暴そうな魔物も倒せるさ!


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