過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
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或る二人の夜 3/10
◆ebJORrWVuo
[sage saga]
2012/07/01(日) 02:24:27.44 ID:LhEJpQT/P
…………。
いらっと来たから桐乃に仕返ししてもいいよな。
カチ、と懐中電灯の電源を切ってやる。
途端、辺りは完全な闇に包まれた。
「……ッ!!」
桐乃が慌てる様子が分かる。ふっふっふ、懐中電灯を持っているのは俺ひとり。
この部屋を暗くするも明るくするのも俺次第という訳だ――
ガスッ!
「がっ!」
こ、こいつ、暗闇の中で正確に俺の足を蹴ってきやがった!
いや、違う、これは金的狙い。恐ろしい奴、あと数センチずれていたら、死んでたぜ……。
「あ、あんたねぇ……!」
暗闇の中で聞く桐乃の怒声は中々どうして迫力があった。
「わ、悪かったって。そこまで怖がるって思わなくてよ」
「こ、怖がってなんかないしっ!」
……どこが?
さっきから俺の服の裾をしっかりと掴んでるし、不安げな表情を浮かべてたし、つまりは怖がっているって事だろ。
部屋で一人で残リたがらなかったのも、一人で居るのが怖かったからだろうし。
しかし、ここで追求しても面倒臭いだけだ。適当に納得してやる。
「へいへい、分かったよ。おまえは、怖がってない。俺なんて居なくても一人で解決出来ただろうよ」
「…………」
俺がせっかく納得してやったのに、桐乃は黙り込んだままだ。
ったくまだ不満があるってのか?
「…………から」
「あん? 何か言ったか?」
「……何でもないし」
相変わらずよく分からねえ妹様だ。
まあ、いい。そろそろ懐中電灯の電源を入れてやる事にしよう。
カチ。
あれ?
カチカチ。
「……何してんの?」
「いや、懐中電灯つけよーとしてんだが点かねえんだよ」
「ど、どうして?」
「んー、電池でも切れたのかね?」
もしそうだとすると、少々厄介だ。
なんせ、全くの暗闇。この中で新品の電池を探しだす事は困難だ。
「どうすんのよ?」
「と言われても……どうしよう」
どうしたものか。
何か接触不良を起こしてる可能性を考えて、懐中電灯を振ったり、軽く叩いてみる。
だが、一向に電源が入る様子がない。
「さっきまで普通に点いてたじゃん。電池が切れてって、いきなり消えるもんなの?」
「うーん、どうだろうな。懐中電灯が消えるシーンなんてそんな遭遇しねえしな」
「ちっ……使えない奴」
うっせえな。
そもそも今回の停電において、おまえの方が全く役に立ってないからな。
しかし、こんな真っ暗闇で桐乃と喧嘩をしてもメリットがあるとは思えない。
寧ろデメリットだらけだ。ここは、協力して事にあたる必要があるだろう。
「そんで、おまえは何か良い案はねえのか?」
「はっ? ここで妹を頼る、フツー」
いや頼るだろう。何、トラブルは兄が全て解決しなくてはいけないみたいなルールがあんの?
悪いが、おまえの兄はそこまですげえ奴じゃねえぞ。
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