過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
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◆YHxtVKAHbw
[sage]
2012/07/03(火) 02:21:56.62 ID:rlnHRDfZo
「桐乃……。どうしよう。こんな手際見せられたら、美味しくないって嘘をつきとおす自信無いよ……」
あやせは、加奈子の料理する姿を見て唖然としていた。
ていうか加奈子の手さばきに完全に見惚れていた。
「い・いや、形から入ってるだけだよ、きっと……」
現在のウチの冷蔵庫の中身だけで料理するのがあやせ的には無理でも、加奈子の料理の師匠はベルフェゴール(命名:黒いの)。
あやせよりも主婦力が高いのは明白だ。
まさか短期間の内に加奈子はそのスキルを全てマスターしたとでもいうのか?
そうして完成した料理は素人目に見ても見事な出来栄えだった。
い、いや、あくまでも形から入ってるだけだよ、多分……。
加奈子はフフンと鼻息を鳴らした。
「さ、ジッケンダイのジッケンダイだ。食ってみ?」
あたしとあやせは観念して食卓についた。
「いた……だきます……」
ぱくっ。
うっ。
こ・コレは……。
目の前にはドヤ顔の加奈子が不敵な笑みを浮かべて立っている。
あたしとあやせはほぼ同時に箸を置いた。
「──加奈子」
「んー? どーした? うめーべ?」
あたしとあやせは何度も台本呼んで練習しても不可能というくらいに完全シンクロして料理の感想を述べた。
「「出直して来い!」」
そう、コレは料理と言うのも憚られる、いや、地球上に存在するあらゆる生物が食物として拒絶してしまうような代物だった。
京介は基本的にマズいものはマズいという人間なので、普段だったらこんなモノすぐに吐き出すだろう。
だけど、加奈子が料理の勉強を始めた理由は京介も知ってるので、事情は変わってくる。
あいつの性格上、恐らく文句言わずに全部平らげてしまうだろう。その結果どうなるか。
模試でA判定取れるかどうか以前に、その模試も受けられなくなってしまう。確実に。
……最悪、人生終わってしまいかねない。
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