過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
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◆YHxtVKAHbw
[sage saga]
2012/07/07(土) 13:25:31.47 ID:fp5ZB47so
あ……ありのまま今起こったことを話します。
この公園からかなり離れたアパートにいるお兄さんが、いつのまにか目の前に立っていました。
な……何を言っているのか分からないと思いますが、わたしも何を言っているのか分かりません……。
「な、ななな、なんでこんなに早く!? メールしてから一分も経ってませんよ!? はっ! わたしをこっそり尾行してひと気の無いところで襲うつもりだったんですね!?」
わたしは完全にパニックに陥っていた。
「ちげーよ! 落ち着け!」
「落ち着いていられるわけないでしょう!? 通報しますよ!」
「誤解だ! とりあえずそのブザーのヒモから手を離してくれ! マジでお願い!」
言いながら、お兄さんはその場で正座する。
お兄さんの言い分によると、
わたしがアパートから出て行ってしばらくした後で、見慣れないストラップを見つけた。
おそらくわたしのものだろう、と思ったお兄さんは、コンビニに飲み物を買いに行くついでに家まで届けようとアパートを出た。
ジュースにしようかお茶にしようかコーヒーにしようかなんて考えながらブラブラゆっくり歩いていた。
わたしからのメールを着信した。
ダッシュ。
ということらしい。
もちろん、全面的に信用は出来ないけど──
「じゃあ、そういう事にしておきます。でも、また同じような事があったら今度は本当に通報しますよ?」
……なんで余計な一言が出てしまうんだろう。
ここは「ありがとうございます」っていうべき場面でしょ、本当に救いようの無いばか女だ。
お兄さんはわたしの失礼すぎる言葉には何も言わず、ただ苦笑いを浮かべている。
そんなお兄さんの顔を見ていると、混乱していた頭がなぜか不思議と静まってくる。
そして、無意識のうちにわたしも笑みを浮かべていた。
「あれ? 急に笑い出してどうしたの? 俺の顔に何か付いてる?」
「いえ、ただ──」
わたしとお兄さんって、本当に変で本当に奇妙な関係だなって自嘲しているだけです。
「ただ、なに?」
「なんでもありませんよー」
結局最後にはお兄さんのペースにはまってしまうんだなと思いながら、今更だけどわたしは素直な言葉を口にした。
「わざわざ届けてくださってありがとうございます」
「い、いや、どういたしまして……」
……あれ? お礼言っただけなのになんでお兄さんは急に笑顔が引きつって冷や汗かいてるんだろう?
本当に奇妙な関係だ。
以前黒猫さんにお兄さんとの関係を問い立たされたとき返答に困ってしまったのも仕方ありませんね。
だってこの変な関係、どう言葉に置き換えて説明したらいいんですか?
<了>
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