過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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497: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/11/25(日) 02:21:25.51 ID:VBYVP1jFo

すると婚后は恐る恐るというか、かなり申し訳なさ気に浜面を見る。
浜面はジト目で婚后を見つめ、

「……で、結論は? まだ俺は敵だと思うか?」

「ええと……あの、まぁ、その…………」

婚后は目を泳がせる。
そして。


「いかに婚后光子と言えども、時には間違えますのよ!!!」

「清々しいほどに開き直りやがった!!!!!」


そんなわけで、美琴と麦野に浜面、婚后という頼もしい(?)仲間が加わった。



***



上条達の居る部屋。
壁一面を占める巨大なガラス窓は粉々に砕けており、突き刺すような冬の風が吹き込んでくる。
まだ日は落ちきっておらず、真っ赤な夕日が最後の輝きを見せている。
それでも気温はずっと下がっており、立っているだけでは身震いをしてしまうくらいにはなっていた。

しかし部屋に居るものはピクリとも動いたりしない。
少しでも余計な行動を取ればそれが命取りになる。そんな危うい空気が広がっている。

最初に動いたのは一方通行だった。

足元のベクトルを変換したのだろう、バキン!! と床を踏み砕き通常ではありえないようなスピードで真っ直ぐ上条へと突っ込んでいく。
そして一方通行は右腕を突き出す。触れた者の生命を容赦なく断絶させるその腕を。

上条の中にゾクッとした冷たいものが芽生える。
あの操車場での戦いやロシアの雪原での戦いと同じだ。
学園都市最強とのケンカ。それは一瞬の判断ミスが命取りになる。
今にも崩れ落ちそうな橋を命綱なしで渡り切る、それ以上の感覚だ。

上条は一方通行の腕を右手で払う。
少しでも触れられたら終わりだ。全身から嫌な汗が噴き出るのを感じる。
それでも、怖がってばかりはいられない。
その後すぐに拳を握り締めると、渾身の右ストレートを放った。
いくら相手が最強の能力者と言えども、この右手の攻撃を受ければひとたまりもない。

だが上条の拳が命中し、一発でノックアウト……そう簡単にいくわけはない。
一方通行はバク宙で一気に後方へ下がってしまった。
上条の右腕は虚しく空を切る。

それだけではなかった。
一方通行と入れ替わりになるように、今度は垣根がこちらに向かって突っ込んできていた。
おそらく先程まで一方通行のすぐ後ろに居たのだろう。もうすでにかなり接近されている。

「く……そっ!!」

「安心しろ、殺しはしねえよ」

垣根はそう言うと、背中の翼を大きく一度だけ振る。
それは上条まで届くことはなく、上条から見て前方一メートル程を通過しただけ……のはずだった。

次の瞬間、上条の全身に凄まじい衝撃が広がった。

至近距離から散弾銃のエアガンでも撃たれればこうなるのだろうか。
上条の足は床を離れ、二、三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。
そしてまるで水切りのように何度か床の上で跳ねて、テーブルの一つに激突してようやく止まる。

「が……ぁぁああ……っ!!!」

「ん、なんだ気絶させるつもりだったんだけどな。やっぱそこら辺の力加減は上手くいかねえな」

「とうま!!」

「く、るな、インデックス!!」
 


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