過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2012/11/25(日) 02:23:18.74 ID:VBYVP1jFo
インデックスが綺麗な碧色の目を見開いて、声を漏らす。
その声は、人気のない夜の道路に降る雨を思わせた。
静かで、それでいて悲しい。人の心に染み渡るような不安も内包している。
上条も同じように驚いていた。
信じられない、いや信じたくない。
ビリビリとどこか痺れたような感覚を受ける頭で、ただそう思うことしかできない。
「か、回収って……なんだよ」
「言葉の意味ですよぉ。もうすぐ手続きを済ませた魔術師がここまで来ます」
「なんだよ、結局そいつは返しちまうのか? せっかく捕まえたのによ」
「えぇ、インデックスさんは魔術サイドの人だからねぇ。ちゃんと元いたお家に返してあげないとぉ☆」
「……わ、私…………」
インデックスは小さく震えていた。
イギリス清教に戻るのが恐ろしいというわけではないだろう。
あそこは今まで彼女に対して散々な事をしてきたが、今では向こうの沢山の人がそれを阻止する。
インデックスの目が、上条に向けられる。
そのすがるような目を見て、上条は考える。
インデックスのあの震えは……これは自惚れにすぎないのかもしれないが……。
ここから離れたくない、もっと上条当麻と一緒に居たい。
そういう意味なのではないか。
「……まだだ」
「んー?」
「まだ、やり直せる。俺と、インデックスは……っ!!!」
全身に力を込めて起き上がろうとする。
だが一方通行に押さえつけられた体はピクリとも動いてくれない。
それでも、諦めるわけにはいかない。
「うおおおおおおおおおおおおああああああああああああああ!!!!!」
「あはははは、ほらほらもっと頑張ってくださいよぉ。想いの力で覚醒!! みたいにぃー」
「とうま……っ!」
「くっだらね」
食蜂はそれはそれは楽しそうに黙って眺め、垣根はつまらなそうにしている。
そしてインデックスは今にも泣きそうな顔をしていた。
上条の行動に感極まっているのか、それとももうやめてほしいと嘆いているのか。
どちらにせよ、上条の行動は変わらない。
最後のその瞬間まで諦めずに抗い続ける。
例え周りから見ればどんなに滑稽だったとしても、それだけは貫き通す。
「あれぇ、絆パワーとかってその程度のものなんですかぁ? ヒーローらしくカッコよく逆転してみせてくださいよぉ!」
食蜂の嘲りの言葉はもう上条の耳には届いていなかった。
ありったけの力を込めて起き上がろうとすると、体のどこかがビギッ!! と嫌な音をあげた。
力を込めて抵抗すればするほど、それを押さえつける力は大きくなる。
だが、それがどうしたというのか。
上条は構わずにさらに力を振り絞って一方通行を跳ね除けようとする。
例えその結果この体がどうなろうとも、絶対に守りたい大切な少女のために。
「絆パワーというものがどういったものなのかは私には分かりませんが……それはこういったものを指すのではないですか?」
そんな声が、部屋に響き渡った。
それは決して大きな声ではなかったが、それでも部屋に居る人間全員の鼓膜を正確に刺激する。
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