過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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509: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/11/25(日) 02:31:26.66 ID:VBYVP1jFo

「ちょっと麦野! 何止まってんのよ!!」

「テレポーター共の様子がおかしい」

「えっ?」

「何も変わらないように見えますが……」

「さっき私が撃った光線への対処がぎこちなかったのよ」

「ぎこちない?」

麦野の言葉を受けて、美琴も試しに結標に向かって何発か電撃を放ってみる。
案の定、それはテレポートで避けられてしまい、青白い稲妻は何もない空間を素通りする。

だが、それを見て美琴も眉をひそめた。

しばらく戦い続けていたから分かる。相手の反応が鈍い。
さっきまではもう何テンポも速く避けていたはずだ。
それに比べて今は、まるでネットのラグみたいに微妙なズレを感じる。

そしてそれは婚后にも分かったらしく、

「確かに反応が鈍くなっているようですわね」

「……どういう事? 滝壺さんに影響が出るなら分かるんだけど、何で結標や黒子まで」

「さぁね。でもチャンスである事に変わりはない。おい浜面!!」

「なんだ!? どうすればいい!?」

「ハグでもキスでもして、どうにかして滝壺の目を覚まさせなさい! たぶん今ならテレポーターを抑えられる!」

「わ、分かった!」

浜面はそう言うと、滝壺に向かって走りだす。
当然それを黙ってみているつもりはないテレポーター二人はすぐに攻撃しようとする。
しかしその前に麦野の光線、美琴の電撃、婚后の暴風が二人を襲う。

結標と白井はそれに対して自身をテレポートしてかわしていく。
だがそれ以上の事はできない。
先程まではこれに加えて浜面に攻撃を加えるという事もできたはずだが、今はその余裕は失われている。
詰まるところ、攻撃を避けるだけで精一杯というわけだ。


「滝壺……っ!!」


浜面はついに滝壺のところまで辿り着くことができた。
そのまま彼女を抱きしめる。もう二度と離さないように。
腕の中の彼女は暖かく、それは心の中まで染み渡っていくようだった。

この状態を危険だという者も居るかもしれない。
現に滝壺は洗脳されていて、先程まで浜面達を追い詰めていた。
だが浜面は信じていた。
自分の言葉は確かに彼女に届いている。

滝壺はしばらく腕の中でピクリとも動かなかった。
顔も俯いていてよく分からない。

しかし、次第に。
滝壺の腕がゆっくりと上がる。
その腕で彼女は何をするのか。
洗脳されているとすれば、どこかから取り出した刃物で刺される。そんな心配もある。
それでも、浜面は少しも動かない。
ただ彼女の存在を確かめるように、腕の力を強めて抱きしめる。

……滝壺の腕は。


浜面の背中に回された。

 


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