過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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584: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/03/01(金) 01:25:23.50 ID:L8R+kmkEo

「麦野、行くわよ!」

「えー、つか監視カメラハッキングとかすればいいんじゃないの」

「こんなとこにいくつもカメラがあるわけないでしょ」

「衛星とか」

「流石にそこまでやって捕まりたくはないわ」

「バレなきゃいいじゃん」

「まずその綱渡りをやりたくないっつってんのよ」

「ふーん、まだそこら辺は冷静なんだ」

と言いつつ、麦野はヨーグルトを口に運ぶ手を止めない。
要するに、動きたくないだけだ。
美琴をからかうのは面白いが、流石に一緒に上条を探して歩きまわるなんていう事はしたくない。
基本的に麦野は損得を考えて動く女だ。

美琴はそんな麦野に溜息をつき、

「そんじゃ、私だけで行くわよ」

「やめとけばいいのに。人の恋路を邪魔するもんじゃないわよ」

「アンタさっきと言ってること違うんじゃないの……?」

「あれはただあんたの反応が面白そうだったから言ってみただけ」

「えらく堂々とぶっちゃけたわねコノヤロウ」

「つーかさ、あんたは早く告れよ」

「それも面白そうってだけでしょうが!!」

「確かにそれが9割だけどさ」

「こんの――!!」

「まぁ聞きなさいよ」

そう言って余裕綽々に美琴をなだめる麦野。
この差はどこからくるのだろうか。
当事者と傍観者の差。人生経験の差。
考えられるものはいくつかあるが、とにかく事実として麦野は美琴よりも冷静にこの問題と向き合える。

麦野の言うことが合っているかどうかなどはさておいて。
むしろ、正解などはないのかもしれないが。
彼女の言葉には、きちんとした軸がある。それだけでだいぶ違うだろう。

「まずあんたとかあのシスターって、上条が他の女と話してるとよくキレるけど、それって結構ズルいもんだよね。
 自分達は今のままの関係っていう安全地帯にいるくせに、他の女が上条に近付くのは気に食わない。男を束縛すんのは恋人の特権だと思うけど」

「そ、それは……」

「だから付き合っちゃえばいいじゃん。流石に彼女が居たら上条だってそこら辺気を使うと思うわよ?
浜面だって滝壺とくっついてからは絹旗と映画観に行ったりはしてないし」

「簡単に言ってくれるけど、告白して成功する保証なんかどこにもないじゃない。
アイツのことだから、きっと私のことなんてそういう対象とすら見てないわよ。そんな相手にいきなり告白とかされたら引かれるって」

「そうやってずるずるずるずる先延ばしにして後悔するのはあんたよ? つかその間に他の女が告って、まんまと取られるっていう考えはないわけ?
 ああいう上条みたいなタイプって、今まで何とも思ってなかった相手でも、そういう告白みたいなきっかけから好きになるって事も多いと思うけど」

「それは……そうかもしんないけど……」

確かに今の関係から抜け出すためには、きちんと好意を伝えるという事が一番早いのかもしれない。
それによって、初めは自分のことをあまり見ていなかった相手でも、そういった感情を向けているという事に気付けば向こうも自然とこちらを意識し始めてくれる。
そういう話も聞いたことはある。



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