過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2013/04/19(金) 23:13:04.89 ID:nvGs0I5wo
***
時は少し戻って男湯。
露天風呂には上条達四人が温泉地の湯を堪能していた。
上条はぼーっと空を眺めて、
「生き返る……」
「なんか本気で人生苦労してる感じがひしひしと伝わってくるな」
そう突っ込んだのは浜面だ。
プールの時も思ったが、やはり鍛えているだけあってその肉体はかなりの筋肉がついており、たくましい。
能力が使えないレベル0が暗い世界で生きていくには体を鍛えるしか無く、その時の名残といったところか。
一方で、レベル5の垣根もそれなりの体型ではある。
問題なのは学園都市第一位の能力者だ。
元々白い肌に加えて極めて細いその体からは、不健康という印象しか浮かんでこない。
浜面は気の毒そうに見て、
「……お前もちょっとは鍛えたらどうだ? 見てるこっちまで不健康になりそうだ」
「別に日常生活で苦労はしてねェ。つーか、俺だって少しは鍛えてる。以前と違って常に能力を使える訳じゃねェからな」
「鍛えてそれかよ……触ったら折れそうだぞそれ」
「だから触ったらオマエの手を折るぞ」
鬱陶しそうに浜面の言葉を流す一方通行。
すると今度は垣根がニヤニヤと口を挟む。
「能力なしのケンカだったら最弱だなお前」
「うるせェ。能力者に対して『能力なしだったら』なンていう条件付けてる時点で間違いなンだよ」
「……そういや垣根さぁ」
「ん?」
突然気の抜けた声で話す上条。
そして頭上の星空に向けられていた視線を垣根に移すと、
「なんかあったのか? なんつーか、妙にスッキリしたっつーか」
「……それは」
言いにくそうに言い淀む垣根。
そんな様子を見た浜面は苦々しい表情を浮かべて、
「まさかションベンでも垂れ流してんじゃねえだろうな」
「ホントにやるぞコラ」
「おいやめろバカ!!!」
浜面はそう言うと慌てて垣根の近くから離れる。
海やプールと違って、元々体を洗うための場所に小便を垂れ流す行為というのは相当極悪な所業だ。
一方通行はそんな二人をくだらなそうに眺めつつ、
「何でもそいつ、少しは良い子になるつもりらしい。似合わねェ事この上ねェけどな」
「え、垣根が?」
上条は意外に思って聞き返す。
こう言っては何だが、とても本人がそんな事を言うとは思えない。
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