過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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626: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:16:04.04 ID:nvGs0I5wo

そう言う上条も記憶喪失の関係で修学旅行の事は覚えていない。
ただ何となくどういったものかというのは、イメージとしては存在している。
すると今度は浜面が、

「けど、それがどうかしたのか?」

「いや、それなら本番の練習になると思ってよ。学校に通うようになってからのな」

「修学旅行の練習とか聞いたことねえぞ……」

「そこで、だ」

やけにテンション高めに垣根はある方向を指差す。
上条と浜面がそちらへ目を向けると、そこには男湯と女湯を区切る岩の壁があった。

二人の背中を冷たいものが伝っていく。
これから垣根が何を言うのか何となく予想できる。そしてそれが生死にかかわる恐ろしい事だというのも。
浜面は顔面蒼白にしてなんとか口を開く。

「おいバカやめろ」

「聞いたことあるぜ、修学旅行の風呂。隣には女湯。やることは一つしかねえ」


「――のぞきだ!!」


そう言った瞬間、垣根はバシャバシャと湯の中を岩の壁まで走っていくと、それをよじ登り始める。
壁といってもそれなりの凸凹はあるので、能力が使えない垣根でもロッククライミングの要領で十分登れるものだ。
ただ、全裸で壁をよじ登って行くイケメンというのは何とも残念な画だった。

そんなシュールな光景に本気で戦慄したのは無能力者二人だ。

「おい待てって!! マジでやべえっての!!! 麦野とか絶対洒落になんねえって!!!」

「御坂もだ!! 本気で死ぬぞお前!?」

「分かってねえな、修学旅行でのぞきってのは通過儀礼なもんだ。これは俺がまともな人生を送るために必要な事なんだよ」

「レベル5相手にのぞきとか明らかにまともじゃねえだろ!!」

二人の説得虚しく、垣根はどんどん登って行ってしまう。

「だいたいよぉ、お前らだって興味はあるだろ。シスターと第三位はともかく、第四位と第五位のカラダは見る価値はあると思うぜ?」

「「…………」」

垣根の言葉に、思わず黙りこんでしまう二人。
麦野と食蜂が凄まじいプロポーションを誇っているのは服の上からでも分かる。男なら見たいと思ってしまうのも分かる。
だが、その一瞬の幸福のために犠牲になるものは何か。

二人はすぐに頭をブンブンと振って甘い誘惑を断ち切る。

「とにかく降りろっての! 比喩でも何でもなく雷が落ちるぞ!! 御坂の貧相なカラダは興味ねえって言っても通じねえって!!」

「麦野も意外と足の太さとか気にしてんだよ!! 原子崩し(メルトダウナー)ぶっ放してくるぞ!!!」

「どうでもいいけどよォ」

ここに来て口を開いたのは一方通行だ。
上条も浜面も、バッとすぐにそちらを振り返る。

今この状況をなんとかできる可能性があるのは、一方通行だけだ。
二人共まさに希望の光のように彼を見て、岩に張り付いている垣根ですら鬱陶しそうにこちらを向いたのだが、


「向こうの声がこっちに聞こえてきたンなら、その逆もあるンじゃねェの」


時が止まった。
そして。


ドガァァアアアアアアアアアアアア!!!!! と。


次の瞬間、凄まじい閃光と轟音と共に、まるで紙くずのように岩の壁がまとめて吹き飛ばされた。
上条の視界の端には、全裸で壁ごと吹き飛ばされる垣根が映っていた。



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