過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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693: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/06/27(木) 14:28:06.97 ID:g9sjJPBmo


初心者組は上条、インデックス、食蜂。
上条とインデックスに関しては記憶が無いので、まず経験があるのかどうかすら分からない。まぁ、その辺りは実際に滑ってみれば分かるかもしれない。
例え「エピソード記憶」になくても、もし経験があったのなら運動の慣れなどを司る「手続記憶」として、文字通り体で覚えている可能性がある。
とはいえ、上条はともかくインデックスにはそんな経験があるようには思えないが。

そして食蜂の方はイメージ通りというか、スキーなどした事がないようだった。
もっとも彼女の性格を考えれば自分から体を動かすような事をするはずがないというのはすぐに分かる。

と、そこまではいい。
しかし上条には一つ腑に落ちない点がある。

「……で、なんで御坂がこっちに居るんだ?」

そう言って視線を移すと、そこにはどことなくカエルを意識したような明るい緑色のウェアに身を包んだ美琴がいる。
彼女は経験者だ。それに運動神経抜群なので、大体のスポーツは上手くこなしてしまうというイメージもある。
そんな彼女がわざわざ傾斜の緩い初心者コースに付き合っている事を意外に思ったのだ。浜面達経験者はリフトで上の方まで行ってしまった。

美琴はなぜかこちらに目を合わせないようにしながら、

「べ、別にいいじゃない。それに、初心者だけじゃ上達も遅いでしょ。だからこの私が特別に教えてあげようかなって……」

「ふーん、へー。そうなんだぁ」

「何よ食蜂その目は!!」

食蜂のジト目を見て顔を赤くする美琴。
彼女達の間で何かしらの意思疎通が行われているというのは分かるが、具体的なところまでは分からない。
これは上条がレベル0だからなのか、それとも女子の間にしか伝わらない何かなのか。

「まぁ、とうまには分からないだろうね、うん」

インデックスの呆れた声を聞く限り、どうやら後者らしい。

そんなこんなで美琴がインストラクターとなって、上条達のスキー講習が始まった。

実際に滑ってみて分かったのだが、どうやら上条は初心者というわけではないらしい。
もちろん、七月二十八日以前の記憶が無い上条にスキーをやったという覚えはない。それでも、どうすればいいのかが何となく分かる。
これは上条にスキーの才能があると考えるよりも、ただ単に記憶喪失以前の経験で体が覚えていると考えたほうが自然だろう。

一方で、インデックスと食蜂は酷いものだった。
いくら美琴が教えてもまともに止まることができず、その度に転んでいる。
加えてまるで狙っているかのように、上条の元へと突っ込んでくるのだ。

「と、とうま、どいてどいてー!!!」

「何よこれ信じられないどう止まれっていうのよぉ!!!」

「ちょっと待て、何でこっちに来るんだよ!!!!!」

「だから板をハの字にしなさいって!!!」

「きゃあああああああああ!!!!!」

「ぐおあああああああああ!!!!!」

あえなくインデックスと食蜂に巻き込まれる形で激突される上条。
相手が一人ならまだしも、二人いっぺんに来られたせいで、雪の上を三人が組んずほぐれつの状態でもがくはめになる。

ところが、食蜂は転んだにも関わらずやけに嬉しそうな表情で、

「うーん、こんな板に乗って滑る楽しさっていうのは全く理解できないけど、悪いことばかりじゃないわねぇ」

「お、おい操祈、お前もうちょっとこの状態を何とかしようとしろって! 痛い、周りの目が痛い!!」

「別にいいじゃないですかぁ」

「良くないわよっ!」

意図的に更に体を密着させてくる食蜂に対し、美琴がすぐに寄ってくる。
その後抵抗むなしく無理矢理引き剥がされ、不満気な食蜂。もう目的が完全に変わっているような気がする。



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