過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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710: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/06/27(木) 14:45:31.98 ID:g9sjJPBmo

そして垣根が、

「……あぁ。上級者コースってのは一歩間違えれば命を失うような場所だ。そんな軽い気持ちで来ればどうなるか分かんねえぞ」

「嘘だよね!? 死人が出るかもしれないって娯楽施設としてどうよ!?」

「中にはそういう死と隣り合わせの状況でしか楽しめねェってやつも居るンだよ」

「私もやめておいたほうがいいと思うわ。アンタではまず生き残る事なんてできない。暗部で生きてきた私達だからこそこうして無事でいられるのよ」

「一方通行と麦野まで乗っかってきてるし! つか何でそこまでして俺をそっちへ行かせたがらないんですか! イジメか!!」

「まぁまぁ、聞けよ上条」

納得するはずもない上条に、浜面は腕を肩にまわす。
そして、あまり聞かれてはマズイのか、ヒソヒソ声で話しかけてきた。

「もし初心者コースから上条が抜けたらどうなる? 残るはインデックス、御坂、食蜂だ」

「あぁ、それがどうしたんだよ?」

「この三人の組み合わせは絶対何かトラブルが起こる。賭けてもいい。特に御坂と食蜂は何事も無い方が不自然だ。
 そんで、その二人が揉めた時、止められるのはインデックスしか居ない。上条はその役目を全部あの子に押し付けてもいいのか?」

「そ、それは……」

「もし御坂と食蜂のケンカにインデックスが巻き込まれるような事があれば、それこそ大きな問題になってくる。
 科学サイドと魔術サイド、この二つがまた戦争なんか始めちまったら真面目に世界が傾く。お前の選択一つで世界がやばい」

「…………」

なんだかいきなりとてつもないスケールの話になったような気もするが、正面から否定できないところが恐ろしい。
それだけ科学サイドと魔術サイドの関係は微妙なものになっているのであり、だからこそインデックスがイギリスへ帰るなどといった話になっているのだ。

ただ、それにしたってたかが女子中学生二人のケンカが世界破滅に繋がるというのもかなり理不尽な話だ。
それを理解した上で、上条は溜息をつく。元々、いつもの不幸だって理不尽の塊だ。

「分かった、分かったよ。初心者コースにいればいいんだろ」

上条のその言葉に、対面に座るインデックス、美琴、食蜂の三人は、

「さっすが上条さぁん! きっと分かってくれると思ってましたよぉ!!」

「ま、まぁアンタがそうしたいってんなら私は止めないわよ。一応言っておくけど、私は別にアンタがどっち行こうが構わないし」

「とうまには私の上達っぷりをその目に焼き付けてもらわないといけないんだよ!」

三者見事に勝手な事言ってるなぁと思う上条だった。



***



お昼を回ったところで、空から降ってくる雪の勢いが増してきた。
吹雪まではいっていないが、それでも視界は全体的に白く染まり見通しが悪い。

そんな中でインデックスは美琴に教わりながら、一生懸命にスキーの練習に励んでいる。昼食の時の上条の言葉に反発しているのだろう。
見た感じではあまり上達の具合は良くないようにも思えるが、それでも少しずつ上手くなっているのは分かる。少なくとも、転ぶペースが三分に一度くらいにはなっていた。

一方で、食蜂はすっかりやる気を失ったようで、ひたすら上条の隣でベタベタしていた。

「おい操祈、俺も少しは滑りたいんだけど……」

「えぇー、あなたはこんな可愛い子よりもスキーを取るんですかぁ?」

「まぁ、せっかくゲレンデに居るんだしな」

「ほほぅ、それは女の子とイチャイチャするくらいなら別にどこでもできるっていう事ですかぁ」

「そ、そういう意味じゃねえよ!」

いちいち嫌な方向に解釈する食蜂に、慌てて弁解する上条。
確かにこの場でしかできない事を優先したいという意味では言ったが、それでも彼女の言う通りいつでも女の子をはべらす事ができるとは思っていない。
そもそも、自分にそんな技量があれば、とっくに彼女の一人や二人できているはずだ。



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