過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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717: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/06/27(木) 14:51:24.95 ID:g9sjJPBmo

そんな時、今度はインデックスが困り顔でこちらにやって来た。

「みこと、ちょっと助けてほしいんだよ。みさきの惨状はとても私の手に負えないかも」

「……でしょうね」

二人の視線の先を上条も追ってみると、そこにはどうやったらそうなるのかと尋ねたくなるほどの転び方をした食蜂がいた。
もう完全にお手上げ状態のインデックスに、思いっきり呆れた溜息をつく美琴。

そして当の本人は、

「ち、ちがっ、違うのよぉ!! 今はちょっと調子が悪いだけで、こんなのいつもの私ならぁ……!!」

「はいはい。分かったから、とりあえず何とか起きなさい。アンタは根本的なところで間違ってそうだから、教えたげるわよ」

「ぐぬぬっ……だから違うって言ってるのにぃ……!!」

「あ、それと周りの人にも迷惑だからあっち行ってやるわよあっち」

そうやってグイグイと食蜂を連れて行ってしまう美琴。
こうして見ると仲の良い同級生のようにも見えるが、おそらくそれを言えば二人から否定の言葉が飛んでくるのだろう。

美琴と食蜂が離れていくと、必然的に上条とインデックスの二人が残される。
するとインデックスはニヤリと笑って、

「ふふふ……いよいよ私の力をとうまに見せつける時がきたようだね」

「何の力だよこえーよ」

「スキーだよスキー。さぁとうま、一番下まで競争なんだよ!!」

「えーと、お前大丈夫なのか? 俺としてはかなり不安なんですが」

「みさきよりは数段上手いかも!!」

「それ何も威張れることじゃねえからな」

ともあれ、おそらく何を言ったとしても納得しそうにもないインデックス。
その様子を見て、上条はどうしたものかと少し頭を使う。

(……まぁ、いい勝負に見せかけて常に近くを滑ってればもしもの時はすぐ何とかできるか)

そこまで考えた上条は一度頷いて、

「分かった、ただあんまり無理するんじゃねえぞ」

「ふふん、相手の心配なんて余裕だねとうま。そういう驕りが敗北に繋がるんだよ!」

「へーへー、ほら、やるならさっさとやろうぜ。それともやめるか? うん、それがいいな、もうやめよう」

「やめないんだよ!! はいヨーイドン!!」

「は!? おいっ!!!」

上条が声をあげた時には既に滑りだしてしまっているインデックス。
公平性の欠片もない理不尽なスタートにげっそりしながら、上条も慌てて滑りだした。

やはりというべきか、いくらインデックスが上達したとしても、まだ上条までは達していないようだ。
スタートこそは遅れたが、その後は難なく追いつくことができた。といっても、彼女が勝手にフラフラしているからというのもあるのだが。
上条もインデックスも記憶喪失であることは変わりないが、上条の方は手続き記憶として体が覚えている事が大きな差になっているようだ。

上条がインデックスの隣に並ぶと、彼女はむっと口を尖らせてこちらを見る。
本人は自分があしらわれているように思えて嫌そうな視線を送っているのだろうが、上条はクイクイと前を指さして余所見をするなという事を伝える。
ただでさえ雪が強くなって視界も悪くなっている。そんな中で余所見というのは心配でならない。

と、その時だった。

「あっ…………わわっ!!」

急にインデックスが止まろうとして、グラッとバランスを崩す。
いきなりどうしたのかと、上条は目を丸くするが、今それはどうでもいい。
とにかくすぐに近くに寄ると、スキー板を絡めないように注意しながら、彼女の体を受け止めた。



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