過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2013/07/16(火) 17:34:44.57 ID:wF64hV+jo
すると麦野は小さく溜息をついて、
「……はぁ、分かった分かった、手伝ってやるわよ。丁度暇してたとこだし、良いゲームにはなりそうだ」
「ゲーム?」
浜面が首を傾げると、麦野はニヤリと嫌な感じの笑みを浮かべて、
「あぁ、ゲームだ。もちろんメインは負けた時の罰ゲームで……そうだな、一番最初に見つけた奴は他の三人に何でも言うことを聞かせることができる」
「くっだらねェ。そンなに言いなりになりてェか、マゾなのか?」
「よっしゃあ!! おい一方通行、俺が勝ったらテメェは全裸で旅館の中ダッシュさせてやるから覚悟しろよ!!」
「ちょっと待てえ!!! これ明らかに俺不利だよね!? 一応言っておくけど俺無能力者なんですけど!?」
「はいヨーイドン」
浜面の必死な言葉には耳も貸さず、無常にもスタートを合図する麦野。
その瞬間、一方通行も垣根も麦野もやる気満々に一斉に散っていく。
取り残される浜面。
そんな少年をあざ笑うかのように、立ち止まっていると頭や肩に雪がどんどん積もっていく。
そして。
「ふざけんなあああああああああああああああああ!!!!!」
ゲレンデには一人の男の悲鳴が響き渡っていた。
***
上条とインデックスが落ちたことを知った少女は、林のすぐ外で震えていた。
大変なことになってしまった。
すぐにでも助けに行きたかったのだが、自分では何の力にもならない。だからせめて人を呼ぼうと思っていた。
ケータイで既に両親には連絡をした。これで助けは来るはずなのだが、それでも時間がかかる可能性だってある。
今の自分には、ただ祈ることしかできない。
そんな時だった。
「おい」
「ひっ!」
「あァ、なンだその顔は。この辺りで黒いツンツン頭と銀髪の女を……って帽子かぶってるから分かンねェか……」
「あ、あの……」
「何でもねェよ」
真っ赤な目をした男はそれだけ言うと、どこかへ滑り去って行く。
その恐ろしい形相は、小学生の女の子を震え上がらせるには十分だった。
それだけに、打ち止めやフレメアがどれだけ肝が座っているのかというのが分かる。少女は知る由もないのだが。
どうやら人探しのようだったが、今の自分にはそれに協力するほどの余裕はない。
すると。
「よっ。この辺りで何かおかしな事とかなかったか?」
「えっ……」
続いて現れたのは爽やかな笑顔を浮かべたイケメンだった。
その顔は「女なんて簡単だ」と言わんばかりの余裕を持っているのが分かる。
少女は一、二歩後ずさった。
両親に言われたことがある。「感じの良さそうなイケメンには近付くな」。
その防衛本能が働いたのだ。
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