過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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917: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/01/22(水) 23:55:44.66 ID:guTjdYBwo

外へ出ると、二月の朝の寒気が身を包むが、今の火照った頭にはむしろ心地いい。
それに、少しは冷静になる必要もあったので、好都合だった。

ケータイを取り出してある番号にかける。
朝早い時間なので出るかどうか分からなかったが、案外すぐに繋がってくれた。

『もしもし上条? どうしたんだよ、いきなり何か問題発生か?』

声の主は浜面仕上。
やはりこういった恋愛関係の相談は、今現在恋人がいる者にした方がいいと思ったのだ。

「……あぁ、結構やばい問題だ」

『マジかよ……あんたのその不幸体質を考えれば仕方ねえとはいえ、こんな日にまでか。で、その問題ってのは?』

「インデックスが可愛いんだ」

『…………は?』

「だから、インデックスが可愛いんだ。可愛すぎて心臓が保たねえ」

『切るぞ』

「何でだよ!?」

唐突に通話を切られかけて慌てる上条。
ここで見放されてしまったらたまらない。

すると、浜面は盛大に呆れた様子で溜息をついて、

『何が問題だよ惚気じゃねえかただの』

「いや問題っての、これじゃまともに話せねえ。目も合わせられねえよ」

『中学生か! しっかりしろよ、そういうもんだよ恋ってのは』

「……そういうもんか」

『あぁ、こっ恥ずかしい事言わせんなよな。けど嫌な気分ってわけじゃねえだろ?』

「そう……だな。むしろ、なんか幸せな感じだ。自分でも信じられないくらい」

『これで付き合えればもっと幸せだぜ?』

「想像できねえよ全然」

『じゃあ実感しちまえばいい。告白の手順は考えてるんだろ?
 そんなおどおどしてんのは上条らしくねえぜ。いつも真っ直ぐ突っ走る、それがあんただろ』

その言葉に、上条はしばし沈黙する。
そうだ、浜面の言う通りだ。こんなのはらしくない。
きっとインデックスだって、そんな自分の事は見たくないだろう。

「…………分かった、サンキューな浜面」

『気にすんな。頑張れよ』

通話を切って、一度空を見上げる。
青空は見えてはいるが、雲もそれなりに多い。
確か天気予報では、日が落ちてから雪が降るかもしれないとも言っていた。

雪というのはこの間の旅行でもう存分に見たが、何も悪いというわけではない。
むしろ、雰囲気というか、シチュエーション的にはいいのかもしれない。
まぁ、その辺りも経験乏しい上条には予想するしかないのだが。

それから部屋に戻る頃には、上条の頭もすっかり冷えていた。
頭はクールに、心はホットに。
よくある言い回しだが、かなりいい事言っているなぁ、と上条は思った。



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