過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/01/22(水) 23:56:16.22 ID:guTjdYBwo
***
いよいよデートに出発。
流石にデートという事もあって、上条も服装には気を付けた。
まぁ、見た目は普通にジャケットにジーンズなのだが、細かい所にオシャレポイントがあり、例えばボタンなんかは……。
と、ここまで考えて、はたしてそういう所までインデックスは気付いてくれるのかという不安を覚えてしまう。
そして彼女はいつもの修道服だった。上には黒のコートを羽織っているが。
いや、最近は私服姿というのもかなり見て、とても良く似合っていた。
だからこそ、この大切な日はよく馴染みのある服を選んだのだろうか。
……というわけで、第一ステップだ。
第七学区の道路を歩きながら、上条は隣のインデックスに向かって話しかける。
「なぁ、インデックス」
「んー、なぁにとうま?」
「手繋ぐか」
「ええっ!?」
尋常じゃなく驚くインデックス。
まさかそこまでのオーバーリアクションを想像していなかった上条の方が驚かされたくらいだ。
そこまで意外な事だっただろうか。
何だかんだ半年の付き合いだ、その間に手を繋いで歩いたことくらい…………あんまりないかもしれない。
インデックスは顔を真っ赤にして口をぱくぱくとしている。
「と、とうま、朝からおかしいかも!」
「わ、悪かったって、無理にとは言わねえから……」
「あ、ちがっ、嫌とかじゃなくて……その……何でかなって……」
「それは……ほら、お前ってすぐ迷子になるじゃん。だから手を繋いでおけば安心……とか」
「むぅ! 私はそんなそそっかしくないかも!!」
しまった、気分を害してしまったみたいだ。
とはいえ、彼女の言葉に全面的に同意できるわけでもないが。
仕方ない、もう強硬手段だ。
あれこれ考えても、どうもまとまらない。
そう判断した上条は、左手で彼女の右手をしっかりと握った。
「ひゃうっ!」
「へ、変な声出すなって……」
「だってとうまが急に! も、もう……っ」
口ではそう言いながらも、握られた手を振り払ったりはしない。
まぁ、もし振り払われたりしたら上条にとってはショックが大きすぎるわけだが。
左手から伝わってくるインデックスの手の柔らかさ、温もり。
今日もまた一段と冷え込む真冬の午前中だが、何だか体全体が暖かくなってくるような気がした。
病は気からとはいうが、やはり心と体は切っても切れない関係にあるようだ。
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