過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/01/23(木) 00:02:57.29 ID:m527eheJo
初めは大漁の自分の方に夢中になっていたインデックスも、ふと我に返って哀れみを込めた視線を送る。
「…………」
「え、えっと、とうま? もしかして私がとうまの分のお魚まで取っちゃってる……って感じなのかな?」
「いや、たぶんそれは関係ないんだ多分。これで場所変わっても、どうせ俺は釣れないままなんだろうな、ふふふふふ」
上条当麻は不幸な人間だ。
それについては、この科学が進んだ学園都市でもまだ解明できていないものでもあり、どうしようもない。
故に科学的に釣りやすくなっている釣り堀でも、その効果は上手く発揮されない。
だが、上条は失念していた。
よく釣れるはずの場所で全く釣れない。この不幸はその程度のものだったか。
答えはすぐに返ってくる。
「……あれ、何か音しない? とうまの足元」
「音? そういえばなんか」
そこまで口にした瞬間。
バキン! という快音と共に、上条の足元の氷が一気に崩れ落ちた。
***
しばらくして、上条達は近くの建物の中で休ませてもらっていた。
とてつもなく寒い。
それも当然だ、雪が降るという予報もある二月の冬空の下、池に落ちたのだ。
ここは暖房もよく効いており、目の前には熱源もあるのだが、一向に上条の体の震えは止まらない。
一応北極の海に落ちた経験はあるが、そんなもの何度経験しても慣れるというようなものでもない。
不幸中の幸いだったのは、インデックスは無事だった事だ。
崩れたのはピンポイントで上条の足元。
係員は何がどうなればこんな事が起きるのかと困惑しながらも、何度も何度も頭を下げて謝罪してきた。
上条としては、そこまで謝られても申し訳ない。
たぶんどんなに安全面に考慮していたとしても、どの道上条は池に落ちていたと想像できるからだ。
何が悪いといえば、運が悪いとしか言い様がない。
「ふ、不幸だ……」
「大丈夫、とうま?」
「何とかな……けど悪いインデックス。もう少しこのまま暖まらせてくれ」
「うん、もちろんいいんだよ。とうまが風邪引いちゃったら私も困るし……」
そう言いながら、インデックスは何かを逡巡していた。
そして上条が首を傾げて彼女の方を見ると、どうやら彼女は何かを決心したようだった。
インデックスはおもむろに上条の近くまでやって来ると、後ろからギュッと抱きしめた。
「っ!?」
「え、えっとね、これはとうまが少しでも暖かければって思って……その、他に意味はなくてね……!」
その声を聞くだけで、おそらく彼女は顔を真っ赤にしているのだろうという事が容易に想像できた。
なにせ、上条の方も耳まで真っ赤にしているからだ。
「そ、そっか……サンキュ」
「う、うん」
ろくに会話も続かず、むず痒い沈黙が広がる。
デート的にはこの雰囲気は決して間違いではないのかもしれないが、だからといって身を任せられる程の余裕は上条にはない。
というわけで、何か空気を変えられるような話題を捻り出そうと頭を回転させるが、中々都合よくすぐに思い付いたりはしない。
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