過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/01/23(木) 00:03:53.78 ID:m527eheJo
(大体、インデックスの奴、自分はデートだって言われるだけであんな過剰反応してたくせに、こんな事してきて…………)
そこで上条の思考が止まる。
一つ、彼女に聞きたい事ができた。
だが、それはあまりすんなりと聞けるような事ではないかもしれない。
少なくとも、この空気をどうにかできるようなものではないし、下手をすると悪化する可能性だってある。
それでも、一度頭をよぎってしまった結果、どうしても聞きたくなってしまった。
「……なぁ、インデックス」
「な、なに?」
「もし、ここに居るのが俺じゃなくて別の奴……例えばステイルとかだとしてさ、インデックスは同じように、その、こうしてくれたりすんのかな」
「えっ……あ……そ、それは……」
明らかに彼女を困らせていた。
当たり前だ。こんな事を聞いておいて、何を言っているという感じだろう。
上条はすぐに後悔した。
そんな事を聞いてどうするのだ。
彼女は誰にでも優しい。困っている人がいれば、誰でも何とかしてやりたいと思う。
例え彼女がステイル相手に同じような事をするとしても、上条がどうこう言う権利などない。
「悪い、何でもない。忘れてくれ」
「……私はシスターさんだから、困っている人には手を差し伸べなければいけないんだよ。私自身もそうしたいと思ってる」
「そう……だよな。はは、そういえばお前ってシスターさんだったな。つい忘れそうになっちまうな」
上条はからかって、この空気を流してしまおうと考えた。
答えも聞けたのだし、もう十分だ。この妙に胸がざわつく感覚からも早く逃れたい。
だが、インデックスの話はそこで終わらなかった。
彼女は上条を抱きしめる力を強めると、耳元で囁くように、
「でも私にとって、とうまは特別な人なんだよ。他の誰よりも」
その言葉に、上条は何も言えなくなった。
今自分がどんな顔をしているのかも分からない。
ただ漠然とした幸福感だけが体の中を巡っていき、外に出たいと騒いでいるようだった。
上条は口元をぎゅっと結ぶ。
油断すれば、そこから様々な言葉が漏れてしまうと思ったからだ。
もう少し、冷静にならなくてはいけない。
今の二人を取り巻く状況というのは複雑で、その場その場の勢いで言葉を紡ぐのはやめた方がいい。
彼女に自分の気持ちを打ち明けようと決心した上条だったが、それにはきちんとした順序を踏みたいと思っている。
だから、今はただこう言った。
「……ありがとな、インデックス。俺にとってもお前は特別な人だよ」
「ふふ、そっか」
彼女の満足そうな声が背後から聞こえてくる。
どんな表情をしているのかは見えないが、声の調子からきっといつもの穏やかな微笑みを浮かべているのだろう。
今はそれだけで、良かった。
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