過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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944: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/03/04(火) 07:35:13.92 ID:4ipaVk6zo

「ほら、とうまって今まで女の子に全く興味ないような感じだったよね」

「そ、そうだったかな……」

「うん。でも今だと何て言うか……それこそ今時の学生みたいに恋愛を謳歌してるって感じなんだよ」

「お前今時の学生ってのが分かるのか?」

「てれびでよく見たんだよ。とにかく、その、とうまはこれからはやっぱり……恋人とか……作ろうとかって思ってるのかな……?」

「いっ!?」

ドキン! と心臓が一気に数段跳ね上がった。
上条はゴクリと喉を鳴らす。これはバレてしまったのかもしれない。
今の言葉はつまり、「私に恋人になってほしいっていう事?」と尋ねられているようなものではないか。

上条の様子が普段と比べておかしいというのは、自分自身でも何となく分かっていた。
そこから彼女は感付いたのではないだろうか。女の子というのは、そういった事に敏感だという事はよく聞く。
さらに、上条とインデックスは今までずっと一緒に居ただけに、互いの変化にも気づきやすいという事もあるだろう。

これからどうするべきか。

上条の計画では、少なくともデートの最中は自分の気持ちを相手に伝えるという事はしないつもりではあった。
絹旗にはB級だとか非難を受けたが、それでもやっぱり別れの前に言いたいと思っていた。
二人を取り巻く状況などを考えた上で、それが一番良いと判断したからだ。

しかし、何とも情けないことに、この段階でバレてしまった場合。
それをうやむやにしたまま、このままデートを続ける事の方が良くないのではないだろうか。

そうやって懸命に頭を回転させて悩んでいた上条だったが、

「あ、ううん、私はそれがダメだって言ってるわけじゃないんだよ。それは普通の事だと思ってる」

「えっと、インデックス、俺……」

「でもね……私に対してはいつも通りでいいと思うんだよ」

「……え?」

上条の思考が停止する。
話の流れ次第では、告白の返事のような感じにもなりかねないと思っていただけに、とんでもなく意表を突かれた形になる。

インデックスは何を言っているのだろう。
上条はただただ、訳もわからずに彼女の言葉を待つ事しか出来ない。

「だからね、これからはデートとかそういうのに興味を持ったりするのは良いと思うけど、無理に私への態度まで変える必要はないっていう事なんだよ。
 確かに私ととうまも、男と女っていうのは変わりないとは思うけど、でも、とうまにとって私はそんな存在じゃないでしょ?」

「いや、ワカサギ釣りの時も言ったけどさ、俺にとってインデックスは特別な……」

「うん、それはとっても嬉しいんだよ。でもね、その特別っていうのは恋愛的な意味ではないよね?」

「へ?」

「ごめんね、実はこの前の旅行の一日目の夜に、女子部屋の皆で男子部屋の様子を見てたんだよ。カメラで」

「はぁ!?」

「それで、その時にとうまがハッキリ言うのを聞いたんだよ。私の事は娘みたいに思っているって」

「…………」

上条は何も言えなくなっていた。金魚のように口をパクパクさせているだけだ。

完全に計算外の出来事だった。
別に上条も何もかもが予定通りに進むとは思ってはいなかったが、いくら何でもこれは予想外過ぎた。

あの時は相当酔っていた為、途中から記憶はあやふやになっている。
それでも、インデックスが言っているような内容を、自分が言った事に関してはかろうじて記憶に残っていた。

そして、その言葉も、あの時点では本心であった事には変わりない。
心の底にインデックスへの特別な想いがあったとしても、あの時点では気付いていない。
それを気付かせてくれたのは、二日目の夜の美琴の告白だ。

だが、今はそこは大きな問題ではないのかもしれない。
重要なのは、インデックスの中で上条の自分への気持ちというのは、そういった親子愛的なものだと認識してしまっている所だ。
上条が言った「インデックスの事を女の子として見ている」という言葉も、彼女からすれば取り繕っているようにしか聞こえないのかもしれない。



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