過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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950: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/03/04(火) 07:39:40.09 ID:4ipaVk6zo

このタイミングで海原が持ち掛けてくる話。
上条にはその内容について大体の予想がついた。
その為、声の調子も自然と確認のものになる。

ショチトルはやたらと大きく溜息をつき、

「おそらく今お前が想像している事で合っている。コイツはバカなんだ、どうしようもなくな」

「あはは、否定はしませんよ。それで、どうでしょう上条さん。少々バカの戯言に付き合ってはもらえないでしょうか」

「……分かった」

「え、どういう事? 私にはさっぱりなんだけど……」

インデックスはきょとんと首を傾げている。
この反応は何もおかしい事ではない。そもそも彼女はほとんど何も知らないのだ。

「大した事じゃねえって。悪いインデックス、ちょっと海原と話してくるわ」

「二人で?」

「えぇ、デートの最中で申し訳ないのですが、少し彼をお借りしますね。
 インデックスさんにはショチトルを付けますので、何かあったら彼女が何とかしてくれるはずです」

「ちなみにこのバカは、暴れる気満々だがな」

「えっ!?」

ショチトルの言葉に目を丸くするインデックス。
そしてすぐに、敵意を込めて海原を睨みつける。
海原はショチトルに向けて苦々しく笑みを浮かべるだけだ。

ここは上条がフォローに入るしかない。

「大丈夫だって、インデックス。そんな心配すんなよ」

「だ、だって、この人、とうまを襲う気なんだよ!」

「安心してください、殺しはしませんよ、たぶん」

「そんなの信じられるはずないかも!」

「インデックス」

上条は静かな声でゆっくりと、一言一言に重みを乗せて話す。

「これはなんつーか、俺のケジメみたいなもんなんだ。海原だって似たようなもんだ。避ける事はできねえんだ」

「意味が分からないんだよ……そんなの、納得できない……」

「……悪い。でもさ、俺もそんな偉そうな事言える立場じゃねけど、理屈じゃねえんだ。
 こんな何も教えないで、一方的に頼まれて納得できないってのは当たり前だ。それでも……頼む、インデックス」

インデックスは何かを言おうとして、口をつぐんだ。
それから懸命に何かを考えている様子で、何度も頭を振る。

上条は辛抱強く待つ。
ワガママを言っている事は百も承知だ。もし逆の立場だったら、インデックスを行かせるわけがない。

それをよく理解した上で、上条は頼む。
ただ、そうするしかない。彼女に甘える事しかできない。

インデックスはじっと、こちらの目を見て口を開く。

「……どんな話をするのかとか、どうしてこんな事になっているのかとかは教えてくれないんだよね」

「……悪い」

ここで、インデックスは目を閉じた。
そして、溜息と共に、


「一つだけ約束して。絶対に無事に戻ってくるって」




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