過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/05/01(木) 02:45:56.51 ID:wiguRyO8o
「もう、いくら何でも笑いすぎかも! それで、帰宅って事は……とうまの部屋に、だよね?」
「それ以外どこがあるんだよ」
「……ふふ、うん、そうだね」
「……? なんかやけに嬉しそうだな」
「何でもない、何でもない」
そうは言っているが、やはりインデックスの声は楽しげだ。
別に物珍しい場所だというわけでもないだろうに。
「今日はありがとね。楽しかった」
「そりゃ良かった。上条さんも必死にプラン考えたかいがありましたよ」
「採点すると75点くらいかな」
「意外とシビア!?」
「あはは、冗談だよ。でもこれで、とうまもデートに慣れて良かったんじゃない?」
「それを活かせる機会があればいいけどな」
「きっとあるよ。もう自分が結構モテるっていう事くらい分かったでしょ?」
「……いや、それは……どうだろうな」
何とも答えにくい質問だ。
おそらく彼女は、美琴や食蜂の事について言っているのだろう。
客観的にはそこまで間違ってはいないのかもしれないが、それを本人が認めるというのもはばかられる。
自分に好意を持ってくれる人がいる事はもちろん嬉しい。
だが、それでも。
「自分が好きな相手に好かれる事が、一番だって思っちまうよな。どうしても。
何贅沢言ってんだとか、自分に好意を持ってくれている人の気持ちも考えろ、とか言われちまうかもしんねえけど」
「……そうだね。でも、大丈夫だよ。とうまの好きな人も、きっととうまの事好きになってくれると思う。もしかしたら、もう好きかもね」
「はは、そこまでモテモテだったら、今まで彼女の一人や二人いただろ」
「いたかもしれないよ?」
「えっ……あー、ないだろそれは」
一瞬その可能性について考えた。
上条は記憶喪失なので、七月二十八日より以前の事は分からない。
それでも、本当に好きな相手だったら何かしらの形で心に残っているものなのではないだろうか。
この前の食蜂が起こした騒動でも、上条は記憶の改竄を受けても本能的にインデックスを守った。
そして、上条の初まりの場所とも言える、あの白い病室でも。
「……あ」
「どうかした?」
「いや……たぶん、分かった。前の俺が好きだった人」
「ほんと? もしかして覚えてるの?」
「覚えてる……っつーか、残ってるって感じだな」
「へぇ〜、誰誰? 私の知ってる人?」
「言わねーっての」
「えー!!!」
考えてみれば簡単な事だった。
記憶を失った直後の上条にだって、残っていたものはあっただろう。
友人も家族も、自分が誰なのかさえ分からなくなっていたあの時。
上条は、ただインデックスが悲しむ姿だけは見たくなかった。
確かにそう想う事はできた。
今だからこそ分かる。
きっと、以前の上条当麻も――――。
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